股関節臼蓋形成不全と周辺筋群の萎縮|フィジオ福岡 臼蓋形成不全に対するトレーニングアプローチ

実際のトレーニング現場でも、股関節の臼蓋形成不全によって股関節痛を伴う股関節疾患を患っている御客様は多いと思います。
先天的に、あるいは変形性の股関節症が原因の方もいます。
このようなお客様に対しては、大腿骨と臼蓋の安定化を図りながら筋力をつけるというよりは動作の改善を目指すことがゴールとなることが多いかと思います。

臼蓋形成不全には筋機能を改善していくアプローチが不可欠。

臼蓋形成不全による骨形態の変化は、大腿骨と臼蓋の構造的な安定性の破綻をきたすとともに股関節の安定性に関わるその他の因子の機能にも影響を及ぼすと考えられています。
特に、股関節周囲筋の筋出力や筋張力によって大腿骨頭に加わる力の大きさや方向が変化することで股関節の安定性に関与することから、これらのメカニズムを考慮しながら運動療法を展開していくことは重要となります。
最近では様々な研究が進み、特に変形性股関節症の臼蓋形成不全と関連する因子として、脚長差と腸腰筋の筋萎縮が有意な項目として注目されています。
また、腸腰筋や梨状筋などの股関節の深部にある筋群は、それぞれの筋機能のバランスを保つことによって臼蓋と大腿骨頭の適合性すなわち股関節の安定化に寄与することも報告されています。
他にも中殿筋の後部線維は筋線維方向が頚体角と同等であることから股関節を求心位に保持する機能があることもわかっており、さまざまな筋機能が股関節安定性に寄与していることがわかっており、臼蓋形成不全における股関節機能を回復させるためには、この周辺の筋機能の評価と問題点の改善が不可欠になってきます。

股関節周囲筋群の萎縮を見逃すな!

一般的なトレーニングアプローチ方法を考えると、関節面の評価はもちろんのこと、周辺筋群や軟部組織の安定性、可動性の評価を行うことになります。
先程も述べたように臼蓋形成不全症では脚長差が大きく、大殿筋や膝関節伸展筋よりも股関節の安定性に関わる腸腰筋、梨状筋、中殿筋により顕著な筋萎縮を認めることが多いので、とくにこのあたりの運動療法による機能改善が中心になっていきます。
特に腸腰筋は、大腿骨頭を前方から押さえることで臼蓋と大腿骨頭の安定性を向上させる作用があることから、臼蓋形成不全が大きい症例では股関節の前方への安定化がより欠如している可能性があるので、これらのことを考慮したアプローチがが必要になってくると考えています。

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