下肢運動制御システムにおける股関節の重要性|フィジオ福岡 下肢のコンディショニング

股関節は下肢運動制御システムの中で、駆動系の主座を担う重心の移動に必要な床反力作用点の移動や支持基底面の構築を足部との協調性や左右の股関節の両側性活動によって可能としています。
また、股関節は体幹、骨盤、肩甲骨などと共に、姿勢をコントロ一ルするための平衡機能・バランスにも深く関与し、いわゆるコアユニットを形成しています。
股関節の機能は、体幹の安定性と密接に関連し、体幹の安定性の欠落は股関節機能の重篤な障害を引き起こすことが報告されており、下肢運動制御システムの機能不全は、さらに負のスパイラルを加速させることになります。

大事なことは股関節の機能を正常化させること。

その一方で、相補的な機能が股関節と体幹部に存在するという事は、股関節の機能不全もまた体幹の機能障害を引き起こし、コアユニット内部においても機能不全のスパイラルが存在するため、障害の構造を複雑にしていると考えられています。
大事なことは股関節の機能を正常化させることです。
股関節の機能を正常に作動させるためには、股関節の深層筋群による安定化作用、Hip-Lumber complexの機能、体幹の支持メカニズム、骨盤のforce closer機能などが重要な要素と考えられていて、加えて股関節の両側性活動や足部機能との協調など多岐にわたる機能の連結が必要になってきます。
また、股関節は姿勢コントロールにおける自動化された制御プロセスにも呼応して、随意的な四肢の動きに先行した姿勢コントロールに寄 与する機能も必要になっていきます。

股関節機能の障害は下肢においては特に膝関節の機能不全のドライバーになりうる。

つまり股関節機能の障害は、下肢においては特に膝関節の機能不全のドライバーになりうる点で、膝関節疾患における問題点の上位にあげられることが多いともいえます。
また、姿勢コントロールの異常パターンの原因となり、動作障害・エラーを引き起こすとも考えられます。
だからこそ重要な股関節の機能評価と治療は必須項目になるわけです。

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