グロインペイン症候群 | フィジオ福岡 スポーツ障害

グロインペイン症候群“groin pain syndrome”(鼠径部痛症候群・スポーツヘルニア)は、サッカーでの発生が多く、片脚立位で下肢をスイングしてキックするサッカー特有の動作自身に本症発生の要因があると考えられています。

一度なると治りにくいグロインペイン症候群。

下肢の打撲や足関節の捻挫など何らかの障害をかばって運動を続けた結果、不自然な体の使い方をして「可動性」・「安定性」・「協調性」が不良になることがあります。
サッカーが7割程度と圧倒的に多く、そのほかにもラグビー、アメリカンフットボール、長距離走(駅伝)、野球などで発症の報告があります。
一度なると治りにくいのが特徴です。

症状は、脚の付け根(股関節前面)、特に鼠径部周辺に運動痛や圧痛、大腿内側部(内転筋の腱付着部分)と鼠径管部のあたりに痛みを訴える青少年が多いとのことです。
体幹から股関節周辺の可動域(動き)が減少しており、股関節に関わる筋の過緊張や骨盤を支える筋力である股関節外旋・外転・伸展筋群の低下による不安定性、体幹と下肢の動きが効果的に連動すること(協調性)が出来ず不自然な使い方によって、これらの機能が低下し、痛みと機能障害の悪循環が生じて症状が慢性化していきます。

体幹から下肢の「可動性」・「安定性」・「協調性」に問題が生じ、鼠径部痛へ発展していく。

鼠径部痛を有すことで痛みや股関節周囲の筋(主に内転筋、外転筋)を有効に使えないと骨盤を最後はハムストリングスで支えるしかなくなり、ハムストリングスの硬縮に繋がってしまいます。
サッカー選手の身体的特性として、股関節内旋・外旋動作の機能低下、右足利き者の場合、外転筋力は蹴り足となる利き足側で低下しやすいことが示唆されています。よって、鼠径部痛の症状に直接的な影響を及ぼすとされる外転筋力の低下が蹴り足側から始まることが考えられ、そこから、股関節周囲筋の筋バランスなどが崩れ、プレーを続けていく結果、鼠径部周辺にさまざまな不都合が起こり、体幹から下肢の「可動性」・「安定性」・「協調性」に問題が生じ、鼠径部痛へ発展していくことが考えられています。

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