筋の緊張をコントロールする抑制性回路|フィジオ福岡 筋緊張に対するアプローチ

伸張反射・屈曲反射はともに骨格筋が収縮する反射のことをさしますが、そのような興奮性の反射だけでは円滑な関節運動は営めません。
そのため、人の動きの円滑さを保つためにも、多くの抑制性の現象が人知れず起こっていることがわかっています。

ある関節を動かそうとしたときに、その運動を起こす骨格筋を主動作筋といい、それと反対の動きを引き起こす筋を拮抗筋と呼んでいます。
そして、主動作筋の運動神経と拮抗筋のそれとの間には、一方が興奮すると介在神経を介して自動的に他方が抑制されるように神経回路が組み込まれていることがわかっています。

つまり、主動作筋が収縮するときは常に拮抗筋の活動は抑制され、関節運動が起こりやすくなるという仕組みを身体はもっていて、この仕組みのことを相反性神経支配と呼んでいます。

その他にも、抑制性の脊髄反射としては反回抑制とⅠb抑制が存在します。
反回抑制は、興奮した運動神経が自らを抑制する反射で過度な筋収縮による傷害を回避するための反射だといわれています。
また、Ⅰb抑制は骨格筋を強く伸長すると腱紡錘からのインパルスが介在神経を介して運動神経を抑制する反射のことをいい、骨格筋のストレッチングなどはこの反射を利用したものであるといえます。

筋の緊張が強い方はぜひこの抑制性の現象をうまく利用して身体を緩めることを考えてみてはいかがでしょうか。

関連記事

  1. 冬のほうが代謝が高いのはなぜ?|フィジオ福岡 代謝の科学

  2. 「有酸素運動と無酸素運動」

  3. 食欲の中枢

  4. コルチゾールの働き

  5. 膵臓の働き

  6. 「運動が脂質代謝に与える影響とは」

最近の記事

  1. 2021.08.30

    皮膚の受容器

カテゴリー

閉じる