脂質やコレステロールは必ずしも悪者か?|フィジオ福岡 栄養科学

お客様とトレーニング中に食事についての話をすることが多いですが、今日はその中でも忌み嫌われる存在である「脂質」の摂取について考えてみようと思います。
多くの方が脂肪について良くないイメージをもっていて、話をしていると「脂肪をできるだけ制限し、あまり食べないようにしている」というお客様が多いのかなと思います。
しかしながら、食物脂肪についてのそういった『悪い』イメージは必ずしも正しい物ばかりではなく、実際のところしっかりと脂肪を摂取することでのメリットも多いことを知っておかなければいけません。

脂肪は単なるエネルギー源ではない。

たとえば、脂肪は栄養素の中で最も多くのエネルギーを生み出す栄養素、カロリーの高い栄養素です。
だからこそ多くの方はこの「脂肪食」の摂取を制限したほうがいいと考えているのだと思います。
しかしながら、実際のところ脂肪はエネルギーを作るだけではなく、その種類によって多くの機能を持つことがわかっています。
たとえば脳の認知能力、筋肉、骨への作用、細胞の保護や神経シグナルの伝達、脂溶性ビタミンの運搬、有用なホルモンレベルの維持など、エネルギーとしての役割以外にも様々な役割を担っているのが脂肪です。
脂肪は単なるエネルギー源ではないということは知っておかなければいけないでしょう。

コレステロールは悪なのか?

この点はコレステロールにも同じことが言えるでしょう。
みなさんはコレステロールといえば「悪い」イメージしかないのではないでしょうか?

例えば、卵はコレステロールが多いため、たくさんの摂取は避けるべきという考えがまだまだあるのではないかと思います。
卵の脂肪は、ほぼ全て「卵黄」に含まれていて、脂肪酸は主にオレイン酸です。
酸化されにくいため加熱料理も安心して使うことができるオレイン酸は、体内では活性酸素と結びついて過酸化脂質となることも避けることができます。
この酸化されにくいオレイン酸の摂取は、発ガンや動脈硬化にともなう心筋梗塞・脳梗塞・高血圧・糖尿病など、生活習慣病の予防・改善に役立つといわれています。
またオレイン酸の働きで最もよく知られているのは、血液中の悪玉コレステロールを除いて動脈効果や心臓病、高血圧を予防することです。
また卵黄のコレステロールについては、多くの実験で心肺・循環器系疾患の発症率に影響を及ぼさないことが示されています。
つまり卵の摂取に関して言えば、良いことはあっても悪いことは少ないというのが実際ではないかと思います。

またトレーニングにおける筋肥大の効果を出すためにも、テストステロン生成のためにコレステロールが必要であることも有名です。
脂質代謝異常などの疾患がない限りは、1日に1個から3個くらいは摂取してもいいのかもしれません。
また減量中においても、全卵1個加えたほうがその減量結果が良かったという研究もあります。
このように卵に関しては摂り過ぎはもちろん問題かもしれませんが、しっかりと摂取していい食材だといえるでしょう!

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