レム睡眠とノンレム睡眠では、全身の生理機能にも非常に大きな違いがみられます。
ノンレム睡眠は一般的に脳の休息の時間だと考えられています。
まず、脳のエネルギー消費とニューロンの活動は1日のうちで最も低くなります。
ノンレム睡眠時の身体の機能も特徴的で、脳の運動機能をつかさどる領域が全身の筋肉に命令を下すことが少なくなるため、筋の活動は少なくなります。
しかし、必要に応じて寝返りなど、運動をすることは可能な状態にあります。
そして、体温も下がり、エネルギー消費も少なくなり、さらに、自律神経系の機能では、交感神経の機能が弱まり、副交感神経の機能が亢進します。
そのため、血圧や心拍数は下がり、消化器系の機能が亢進します。
反対にレム睡眠時の脳と全身の状態は、ノンレム睡眠とは大きく異なっています。
それは脳が覚醒時よりも活発に活動しているためです。
そのため脳波は覚醒時と非常によく似ていて、レム睡眠は逆説睡眠ともよばれています。
また、レム睡眠時には脳幹から脊髄にむけて運動ニューロンを麻痺させる信号が送られているため、全身の骨格筋は眼筋や耳小骨の筋肉、呼吸筋などをのぞいて麻痺しています。
そのためレム睡眠時には脳の命令が筋肉に伝わらないので、夢の中での行動が実際の行動に反映されることはないです。
ただ眼球だけは、不規則にさまざまな方向に動いているのです。
睡眠の約75%はノンレム睡眠であり、残り25%がレム睡眠であります。
これらは、ランダムに現れるわけでなく、規則正しく繰り返されます。
健康的な眠りでは、レム睡眠は必ずノンレム睡眠のあとにあらわれます。