小児の認知や行動に関わる知識がすすみ、発達は妊娠から成熟までの連続したプロセスであるという根拠が次第に明らかになってきています。
「発達」は脳神経系の成熟と密接な関係にあることは有名な話です。
システムとしての神経機構は、繰り返しあるパターンで選択的に部分々々が使いこなされることで機能しています。
介入(intervention)は個体相互の刺激と反応の交換から成立つ一種のコミュニケーション回路
感覚と運動の統合はこのような機序で環境条件と関わりあいながら発達するものです。
従って周囲からの介入(intervention)が連続したプロセスで子どもの発達を促進させる役割を果しています。
小児麻痺などの障害児は、これらのシステムの何処かに問題が生じてしまい、システムの調和を失った状態と見なすことができます。
このような小児のリハビリやトレーニングを考えてみると、周囲からの介入(interventlon)の調節と努力によって問題のあるシステムが補われる可能性というものがあります。
介入(intervention)は個体相互の刺激と反応の交換から成立つ一種のコミュニケーション回路と言えます。
環境を外的なコミュニケーションシステムと見たて、子どもたちに対するの指導に取り組む必要性があると考えています。
「感覚」と「運動機能」の向上をめざす教育の手段
身体活動が開始、持続するために必要な意識の座は「大脳皮質」と「脳幹網様体」の連携であるといわれています。
子どものモチベーションは環境からの介入(intervention) との関り合いの中で育んでいくものになると思います。
これを踏まえたうえでどう「発達」を評価していくのかを考えると、具体的には“注意”の評価が重要なポイントになるといわれています。
親と子の絆、指導者と子どもの社会的人問関係が背景にある「注意行動」は、さまざまな感覚モダリティーの特性によって生まれ、それらの相互関連に基づいて応用的な知覚の機能が育まれるといわれています。
どの障害児も役立つ可能性のある感覚モダリティーをもっています。
それらをどのように活用し、発達促進の介入行動(intervention)を組み立てていくかに工夫を凝らしていく必要性があるのです。
こどもはその中から自分が好む活動の選択を行い、配慮された環境に適応していくだけのこと。
不利な行動表現と自然の適応行動を見分け、意識レベルに応じて神経系の抗制と促通の働きを助けていくことが「感覚」と「運動機能」の向上をめざす教育の手段であると考えられます。