新生児や乳児は中枢神経系の成熟が未成熟であるため原始反射と呼ばれる運動が生じますが、それに反して赤ん坊は自由度の高い運動を示すことも明らかにされています。
例えば、新生児の腋下を押えて起立させ,足を床につけ前傾させると数歩、歩行する自動歩行に関して、生後2週目から8週目まで積極的に自動歩行を誘発する「訓練」を行った実験では自動歩行が通常認められなくなる8週目においても反射による足踏み動作が観察されたと報告があります。
これは当初反射的であった運動が刺激の繰り返しによって意図的な運動となり、学習の過程が生じた結果だと考えることが可能です。
子どもの運動発達速度
乳児の運動には反射的要素は含むものの、繰り返しの刺激(練習)あるいは環境設定の変更によって学習による運動も可能であることがわかっています。
また文化的環境の変化も子どもの運動発達に影響を与えます。歩き始めの時期が昭和の時代に比べ2000年代の方が数ヶ月早くなっていることを述べています。
この背景について、現代社会では床にカーペットを敷くことが多くなったことから転倒してもそれが歩行の動機づけを弱化させる原因になりにくいことが運動発達を早めたと考えられています。
このように、乳児は自身の行動によって生じた誰境の変化を学習することができ、その変化を知覚するとますます行動を増大することが期待できるでしょう。