コーレス骨折

コーレス骨折は、橈骨遠位端骨折のうち、背屈強制により背側転位をきたす骨折のことを指します。コーレス骨折は、一般人は高齢者に多いですが、若年者でも強力な外力によって起こることもあります。

高齢者のコーレス骨折の場合、保存療法が選択されることが多くなります。これは高齢者の場合、中等度の転位はADL上機能障害が少ないことと、骨の脆弱性により、手術療法における内固定(および創外固定)の困難さから、ある程度の転位は許容し、保存療法を選択せざる得ないからとなります。ただ、スポーツをしている若年者におけるコーレス骨折の場合は、軽度の転位の残存さえ手関節の機能障害を残し、スポーツ復帰に対する障害となる場合が多くなります。そのため、可能な限りの解剖学的整復を目指すべきと考えられます。徒手の整復で整復位が得られない場合は、観血的整復術の適応となります。

保存療法:転位が許容範囲内、または徒手整復により十分な整復位が得られた場合、保存療法を選択します。手関節回内外中間位で、肘上ギプスを巻きます。X線チェックにより転位がなければ、2週間で肘下ギプスとし、骨融合を確認しつつその後3週程度でギプスをフリーとします。

手術療法:徒手整復をおこなっても整復位が得られなければ手術療法を選択します。術式は、固定具により大きく3種類に分けられます。①創外固定→創外固定を入れている場合、ピンからの感染予防のため汗をかくことが許されないので、スポーツ選手で選択されることは少なくなります。②ピンニング+ギプスまたはシーネ固定→比較的侵襲が少なく行うことができ、抜釘してしまえば内固定の問題はないですが、術後早期に手関節を動かすことはできません。③プレート固定→強固な固定は得られますが、スポーツ選手の場合は抜釘の問題があります。

 

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