前回の「成長期における発育・発達と食事について」に続き、今回は「成人〜高齢期と食事について」です。
身体の成長が終わり高齢になるまでの20歳から50歳代は、生活習慣病が出現し始める時期です。
日常生活のリズムの点検と合わせて、食事内容のチェックが必要です。
社会的活動の関係で、外食や中食の機会が多くなる時期でもあります。
自分の適切な食事量を知ること、主菜・副菜・主食のバランスをとること、野菜・果物など生体調節機能をもつ食品や、カルシウム源となる牛乳・乳製品などを積極的に摂取することが大切です。
同時に、食事を通して気分を変えることも心理的には効果があります。
老化に伴う身体組織の変化としては、組織タンパク質および細胞内水分の減少、実質細胞の減少と萎縮などがみられます。
脂肪組織、結合組織などの不活性な組織が増加して、生理機能が低下してしまいます。
味覚の低下、咀嚼力の低下、消化液の分泌低下、消化吸収能の低下がみられ、食欲不振や便秘などを起こしやすくなってしまいます。
腎臓の機能をはじめ全身的な諸機能が低下することで、低栄養状態に陥りやすいので、細やかな栄養的配慮が必要となってきます。