骨格の可動域を広げようとする際に障壁となるのが痛みの存在ですが、今回は運動連鎖を用いて比較的痛みを感じさせずに関節可動域を広げる方法を紹介していきます。
股関節と頸部の関係性
股関節に可動域制限がある患者は頸部にも影響が有り、頸部回旋可動域が小さい側の股関節可動域は伸展・内転・内旋可動域が優位であります。
すなわち頸部可動域が右側優位の患者は右側股関節の屈曲・外転・外旋と左股関節の伸展・内転・内旋が優位となります。
この相関を応用して股関節の可動域不全に対して頸部回旋を促すことで間接的に股関節可動域を改善することができます。
具体的には右側の股関節の屈曲・外転・外旋を出したい場合は左側の胸鎖乳突筋を徒手マッサージでリリースすると動きを出しやすくなります。
この関連は運動連鎖によるものが大きいです。
頸部が右回旋すると上部胸郭左回旋→下部胸郭右回旋→腰椎左回旋→骨盤右回旋となり右臼蓋後内方位となるため屈曲・外転・外旋がしやすくなるのです。