神経細胞と働き
運動は筋肉の収縮によって行われていますが、収縮を直接調節しているのは運動神経です。
運動神経は神経細胞の細長い突起であり、神経終末を介して筋肉と接続しています。
神経細胞が活動すると運動神経に伝わり、筋肉に到達し、信号に合わせて筋肉を収縮させます。
したがって神経細胞の活動量が筋肉の活動量を決めますが、神経細胞の活動量を決めるのは、運動細胞に接続する入力の信号です。
脳が筋肉の収縮の仕方を制御するときには、神経細胞に興奮性の信号、もしくは抑制性の信号を送って調整します。
筋収縮の強さはどう変化するのか
手足や胴体の骨格筋につながる神経細胞は脊髄に、顔を支配する神経細胞は脳幹の神経核にあります。
1つの筋肉につながる複数の神経細胞が集団を形成していますが、これをモーターニューロンプールと言います。
筋収縮の強さはモーターニューロンプールに含まれる神経細胞の何個が活動しているのか、一個の神経細胞がどれくらい強く活動するのかの2つによって決まります。
モーターニューロンプールでは神経細胞の大きさによる興奮の序列があり、弱い筋収縮では小さな神経細胞がまず活動し、収縮が強くなるにつれ大きな神経細胞が活動し始めます。
これをサイズの原理と言います。
個々の神経細胞の活動量は毎秒何回発射するというような表現をされ、姿勢制御では大きい筋肉では毎秒7〜15回、小さな筋肉では毎秒8〜40回ほど発射されます。
筋収縮を徐々に強く行い筋張力を上げていくと、小さい神経細胞では発射頻度は徐々に増加し、筋張力の上昇に貢献していますが、大きい神経細胞は収縮がある程度強くならないと活動を開始しません。
また、筋収縮の速度を変化させるために神経細胞の発射頻度はダイナミックに変化し、収縮が速くなるにつれ神経細胞はより早く活動し始め、発射頻度も高くなります。
ですので、筋収縮の強さ・速度を変えるには神経細胞の活動が変化するように脳が指令を与えているということになります。