アメリカンフットボール・ラグビー・レスリングなどで、肩から相手にコンタクトした際に頸部が反対側に側屈を強制されて生じる事が多いです。
また頸部屈曲や患側への側屈でも生じる事があります。
受傷のメカニズムとしては、腕神経叢の過伸張・圧迫・椎間孔内での神経根圧迫などです。
慢性化したフットボール選手では椎間板の問題により2次的な神経根圧迫が生じ、頸部脊柱管狭窄症の発症頻度が高くなります。
症状としては一側上肢に灼熱痛・知覚異常・筋力低下などが認められますが、通常は一過性で数分から数日で回復します。
損傷が重度、あるいは再発を繰り返した場合には、肩から上肢の麻痺や違和感の訴え、患側の鎖骨・第1肋間間隙・前斜角筋三角部などの圧痛が長期間認められます。
初期症状を頚椎損傷・一過性脊髄損傷・椎間板ヘルニアなどの症状と鑑別する事が難しいため、上肢痛や痺れ・筋力低下が持続する場合には早急に医療機関を受診します。