脊髄反射の種類

脊髄反射は熱いものに手を触れてしまった時や鋭利なものを触ってしまった時など、身を守るために重要な働きをしています。

そもそも私たちの運動は末梢からの情報を脊髄が脳に届け、情報をもとに脳から指令を出すことによって行われています。

反射の場合、末梢からの情報を脊髄から脳には届けずに脊髄が指令を出すことによって体を動かします。

反射には脊髄反射のほかに、姿勢反射や歩行反射などがありますが、今回は脊髄反射にはどの様なものがあるのかご紹介します。

屈曲反射

屈曲反射は強い刺激(外力や温度など)によって、身体が傷害を受けることを避けるために、身体組織の侵略要因から遠ざかろうとする反射運動です。

この反射は、皮膚や筋肉などにある感覚受容器が侵害要因となる外部刺激(侵害刺激)を察知し、感覚受容器の反応を感覚神経線維が脊髄に入力し、脊髄の中にある神経細胞のネットワークで興奮と抑制の最適なパターンを形成し、その形成されたパターンを神経細胞に伝え、屈筋と伸筋を支配する神経細胞が運動神経によって筋肉にパターンを伝えることによって起こります。

侵害刺激の入力に対して屈筋の神経細胞には興奮が、伸筋の運動細胞には抑制が伝えられるので、体は屈曲するように仕組まれています。

入力情報を受け取って一定のパターンを作りだし出力する機構を反射中枢と言います。

右足に侵害刺激が加わると脊髄の反射中枢が働いて、右下肢は屈曲して足を引っ込めますが、反対の左脚は伸筋を興奮、屈筋を抑制させるパターンが仕組まれています。

伸筋の働きによって体を支えることになり、反対側の動きを作る反射を交叉性伸展反射と言います。

伸長反射

人は立っている時、体はわずかに揺れ、重心が移動していますが、転倒することはありません。

これは伸長反射のおかげで転倒せずに立っていられます。

筋内には筋の長さを感知するセンサーのような受容器である筋紡錘があります。

筋紡錘は筋の長さと長さ変化の速度を感知し、それらを脊髄へ伝えます。

立っている時は下肢の伸筋と屈筋はバランスよく収縮していますが、バランスが崩れて伸筋が伸ばされると、筋紡錘が筋の長さが変化したことを感知し、脊髄に送られ、伸筋を支配する神経細胞の興奮が高まり伸筋が収縮します。

これを伸長反射と呼びます。

この時に、筋伸長の信号は抑制性介在細胞にも伝えられるため、屈筋を支配している神経細胞が抑制され、屈筋の収縮が弱まります。

これを相反抑制と呼び、伸長反射と合わせて、崩れかけたバランスが自動的に補正されます。

膝の下を叩くと膝が伸びますが、これを膝蓋腱反射と呼びます。

この膝蓋腱は膝を伸ばす大腿四頭筋の腱であり、叩かれるとそこが伸ばされます。

その伸びを筋紡錘が興奮し、筋が伸ばされたという信号が脊髄に送られ、大腿四頭筋には興奮性の、屈筋群には抑制性の信号が送られるため、膝が伸びます。

ですので、膝蓋腱反射も伸長反射ということができます。

 

この様な脊髄反射は私たちの身の安全を守るために備わっています。

伸長反射はストレッチの際に起こりやすいので反動をつけないようにゆっくり伸ばすようにしましょう。

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