外傷などにより血管が傷つくとそこから出血しはじめます。
出血しはじめてから血管の中では何が起きているのでしょう?
出血するとすぐに血管が収縮し、同時に血小板が出血した場所に粘着して一時的な血栓をつくり、出血を抑えます。
次に、血液中のフィブリノーゲンというタンパク質に血小板が働きかけ、フィブリンという線維素をつくります。
このフィブリンが出血部分をしっかり覆います。
一方、傷口や粘膜の表面から細菌やウイルスなどの病原体が体の中に侵入すると、すぐに免疫反応という生体防御システムが作動します。
最初は、白血球のうちの好中球とよばれるものが血流に乗って集まり、細菌を取り込み、さらに、好中球より容量が大きいマクロファージという体の中の掃除専門の細胞も集まってきて処理に加わります。
この段階で病原体を防ぎきれない場合、白血球の一種であるリンパ球による攻撃が待ち構えています。
リンパ球は赤血球や白血球とは異なり、血管とリンパ管を行き来しながら全身を巡回しています。
リンパ管の途中には、リンパ節という免疫システムのサブステーションがあります。
病原体を取り込んだマクロファージや樹状細胞と呼ばれる監視専門の細胞は、病原体侵入場所からリンパ管を通り、一番近くのリンパ節に移動しすると、全身からそのリンパ節にT細胞やB細胞などのリンパ球が集まってきます。そして互いに協力して細胞を攻撃したり、ウイルスや細菌に入り込まれてしまった細胞を殺したりして病原体を排除するのです。
さらに、自分自身の細胞が腫瘍化していないか常に監視するのも免疫システムの働きと考えられています。