体内には種々のエネルギー源があり、運動のタイプ(種類・強度・時間など)によって、主に糖質を使うのか、それとも脂質を使うのかが決定されます。
無酸素的なエネルギーの産生には糖質のグリコーゲンやグルコースが利用され、有酸素的なエネルギーの産生では脂質の利用が増加します。
また、運動が長時間に及ぶような場合は、脂質の利用が増加し、糖質の利用は減少します。
例えば、ウォーキングのような最大酸素摂取量の25%に相当する低強度の有酸素運動では、脂肪組織(皮下・内臓)の貯蔵脂肪が分解されてできる遊離脂肪酸が主なエネルギー源となります。
少し息がはずむような中強度(最大酸素摂取量の約65%)の運動では、脂肪組織と筋肉の中性脂肪の分解によるエネルギーが約3分の2で、残りは筋肉グリコーゲンによるものとなります。
全力に近いような高強度(最大酸素摂取量の約85%)の運動では、主なエネルギー源として筋肉グリコーゲンを使います。
エネルギーの産生に利用された基質の貢献度は、酸素消費量と二酸化炭素排出量から計算される呼吸商で知ることができます。
呼吸商が1.0に近いほど糖質の酸化量が多く、0.7に近いほど脂質の酸化量が多いことになります。