脂肪の役割と体脂肪|フィジオ福岡 健康科学

脂肪というと、「肥満・動脈硬化・心疾患」などにつながって身体に悪いというイメージが強くあり、毛嫌いされることが多い栄養分だと思います。
しかし、脂肪はタンパク質や炭水化物と並ぶ三大栄養素の1つで、私たちは脂肪なしに健康な生活をおくることはできません。
では、食べた脂肪は身体の中で何をしているのでしょうか?
その役割は大きく分けて3つあります。

脂肪の役割を考える。

1つめは「エネルギー源」としての役割です。
赤身とご飯と脂身に火をつけたことを想像してみると、脂身が一番良く燃えそうなことからも明らかなように、脂肪にはタンパク質や炭水化物の2倍以上のカロリーがあります。
少量で大きなエネルギーを作り出すことができるので、私たちの運動エネルギーの多くをまかなってくれています。

2つめは「生理活性を持つ物質」としての役割で、わかりやすい例でいうと脂溶性ビタミンなどです。
脂肪分には油に溶けやすいビタミン類が含まれていますが、こうした脂溶性ビタミンはサプリメントなどで単体で摂取するよりも、脂肪とともに食べた方が効率よく体内に吸収されることがわかっています。

3つめは「脂肪分」としての役割です。
牛肉などの脂肪を食べたからといって、そのまま人間の脂肪に組み込まれるわけではありません。

しかしながら、小腸から吸収された脂肪は、回り回って生体膜など私たちの身体の脂肪分として活用されます。

身体の表面を覆う「皮下脂肪」と、内臓周辺や内臓の中にある「内臓脂肪」。

私たちの身体を構成する「体脂肪」には、大きく分けて皮膚と筋肉の間にあって身体の表面を覆う「皮下脂肪」と、内臓周辺や内臓の中にある「内臓脂肪」の2つがあります。
なにかと嫌われがちな体脂肪ですが、大事な役割があって存在しています。

最も代表的な役割としては、「エネルギーの貯蔵庫」としての役割だといえるでしょう。
糖質は筋肉中の筋グリコーゲンや肝臓の肝グリコーゲンなどとして蓄えられますが、その量はせいぜい2000kcal程度です。
1日分の消費エネルギーにも満たない程度しか蓄えることができません。
それに対して10〜20kg程度もある体脂肪のエネルギー量は、体脂肪1gあたり約9.5kcalなので約95000〜190000kcalにもなります。
これは1〜2カ月分以上ものエネルギー消費量に相当し、体脂肪があるおかげで簡単に飢え死にすることはないのです。

減量を始めると主に内臓脂肪から減り始め、逆にエネルギー過剰で太るときには主に内臓脂肪から増える。

内臓脂肪は皮下脂肪よりも代謝が早い、「つきやすいが、落ちやすい」という性質をもっています。
内臓脂肪はエネルギーの短期貯蔵庫、皮下脂肪は長期貯蔵庫だといえます。
減量を始めると主に内臓脂肪から減り始め、逆にエネルギー過剰で太るときには主に内臓脂肪から増えていきます(もちろん同時に皮下脂肪も増減します)。
このように体脂肪の増減は、まずは主に内臓脂肪の量を変化させるので、ウエスト周径囲の変化として現れます。

またその他の役割として、体脂肪には保温ジャケットのような断熱材の作用と、衝撃緩衝材としてのプロテクターの働きなどもあります。
人間は恒温動物なので、保温作用のある皮下脂肪が少ないと体温を保つために多くのエネルギーが必要になります。
逆に、皮下脂肪の多い身体は保温作用が高いので体温維持のためのエネルギー消費量が減り、ますます痩せにくくなってしまいます。

体脂肪にも大切な役割がありますが、過剰につけすぎるのは問題ですね。

 

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