下腿の疲労骨折の検査は、下腿2方向の単純X線像において仮骨形成を認められれば診断は容易になります。特に、疾走型疲労骨折では仮骨が確認しやすい反面、疲労骨折の反復例では数ヵ所の骨皮質の肥厚がみられます。
跳躍型の疲労骨折は疾走型のような仮骨形成がみられず、前方骨皮質のぼんやりした肥厚や不鮮明な骨折線のみしか確認されないことがあります。しかし、進行すると横走する骨折線が鮮明となり、偽関節のような所見を呈します。他の疲労骨折と同様に、早期の診断にはX線像より骨シンチグラフィーが有用になります。
治療は、疾走型の脛骨疲労骨折では1~2ヵ月の運動制限ですが、衝撃のかからない運動や疼痛を感じない運動はこの間でも大丈夫です。跳躍型の脛骨疲労骨折では、原因となった跳躍や瞬発的な動作休止させても治癒までには3ヵ月以上を要することも多く、休止が不完全な場合では数年以上にわたり治癒せず、著しい偽関節様の変化を呈することもあります。このため、長期経過例では手術治療が行われます。
リハビリテーションは、X線像において仮骨が成熟するまでは、衝撃を避けた運動内容に制限します。この間に、衝撃吸収に関与する足部や下腿筋群の柔軟性や筋力の改善を目的としたコンディショニングプログラムを行います。スポーツ復帰の際、オーバーワークにならないように注意し、足底板により衝撃の吸収を助けます。