圧迫骨折とは、外傷や椎骨の衰弱が引き起こす骨折のことを言います。加齢による骨粗鬆症などで骨密度が減少し、骨同士がぶつかりあうことで脊椎の椎体が潰れてしまうことが大きな原因と言われています。
高齢者や女性に多い腰椎圧迫骨折と骨粗鬆症が原因となる胸椎圧迫骨折
圧迫骨折には、高齢者や女性に多い腰椎圧迫骨折と骨粗鬆症が原因となる胸椎圧迫骨折の2種類があります。統計によると、発症している方のほとんどが中高齢者で、一年に90万人近くが圧迫骨折を起こしていると発表されています。骨粗鬆症による圧迫骨折が最も多いですが、なかには悪性腫瘍の転移や骨軟化症、腎性骨異栄養症などの病気によって骨の強度が低下して起こる場合もあります。
(1)急性期の症状
突然、背中や腰に強い痛みが起こります。
猫背の状態になり、動作をするときに特に痛みが強く、寝返りが打てない、仰向けに寝ることができなくなることが多いです。
こうした症状が約2~3ヶ月続きます。
(2)慢性期の症状
つぶれた骨が固まると、痛みは次第におさまってきます。
つぶれた状態で骨が固まってしまうため、背中が後方に湾曲し丸くなったり、背が低くなったり猫背の状態になることが多いです。
中には偽関節となり、腰痛や背部痛が残ることもあります。
また、骨がつぶれたり変形したりして、脊髄や馬尾神経を圧迫すると、しびれや感覚鈍麻、麻痺などの神経症状が残ることもあります。
肢や体幹のエクササイズを行うことにより予防する。
原因は交通事故や転落事故、スポーツ事故などで起きた激しい衝撃に加え、転倒や尻もち、咳やくしゃみといった軽い衝撃でも、胸椎圧迫骨折になってしまうケースがあります。」症状が「痛み」のみの場合は、保存治療(コルセットまたはギブスによる固定)おこない安静にします。また「しびれや麻痺」を伴う場合には手術をおこなう場合もあります。
胸椎中位圧迫骨折は骨粗鬆症を基礎疾患として有し、それに上肢の負荷に体幹の回旋屈曲といった複合動作が加わることにより僧帽筋中部に左右不均衡の最大負荷が生じます。それにより圧迫骨折を呈する事も示唆されています。転倒予防のリハビリテーションに加え、上肢や体幹のエクササイズを行うことにより予防の効果があるといわれています。起こってからではなく年齢を重ねると共に、予防への対処を行っていく必要があります。