老化とトレーニング効果|フィジオ福岡 サルコペニア発生機序とその予防について

老化は「身体的に自立していく」能力を徐々に奪い、日常生活の質を低下させるものです。
高齢者におけるこれらの問題を引き起こす根本的要因は、無意識のうちに進行するサルコペニア(加齢性筋肉減少症)、すなわち筋萎縮による筋機能の低下であると考えられています。
サルコペニアは、転倒によるけがの危険性を増加させ、場合によっては身体的自立を妨げ、あるいは障害を引き起こし身体活動量の低下を招きます。
更に、サルコペニアによる運動機能低下→寝たきり→認知症の悪循環は、重度心身障害者の要介護増加に繋がっていくともいわれています。

サルコペニアの原因として運動神経細胞の変性によって神経-筋シナプスの機能・形態が変化し、筋線維の脱神経支配(除神経)が生じて骨格筋の老化が進行していく。

これまで様々なサルコペニアの研究が報告されており、例えばサルコペニアの原因として運動神経細胞の変性によって神経-筋シナプスの機能・形態が変化し、筋線維の脱神経支配(除神経)が生じて骨格筋の老化が進行していく可能性があるという報告があります。

中でも特に速筋線維は脱神経支配を受けやすく、近隣に存在する遅筋線維を支配している運動神経から再支配を受け、運動単位のリモデリングを起こすことが知られています。
しかし、除神経の進行が再支配の能力を大きく上回る場合では、代償的に神経支配されなかった筋線維は変性して萎縮していくため、最終的に筋量が低下していくことになります。
これがサルコペニアの原因であるというのです。
サルコペニアの骨格筋では、筋線維数の減少、小角化線維の出現による筋線維径の不均一化、筋線維タイプの群化に伴うⅠ型線維とⅡ型線維の比率変化が認められていますが、これらの特徴は上記の作用機序によっ て生じている可能性が高いとも考えられています。

高齢者の場合、大部分の筋力増加が神経的活動要素の改善によってもたらされている。

このサルコペニアを予防するためには、習慣的な運動トレーニングによって筋量・筋力の回復と維持に努めることが重要です。
レジスタンストレーニングは特に有効であるとされています。
高齢者の場合、大部分の筋力増加が神経的活動要素の改善によってもたらされているという報告があります。
また、レジスタンストレーニングだけでなく持久性トレーニングによっても神経-筋シナプスの適応反応が生じ、その形態が変化することが明らかとなっ てきています。
また興味深いことに、老齢マウスに自発的運動を促すと変性過程にある神経-筋シナプスの形態が若齢期の状態へと逆行的に変化することも報告されています。
つまり、運動・トレーニングで神経の活動度を高めることで神経-筋シナプスの変性を抑制し、神経筋伝達能の改善を介して筋力を増加させることは可能であるということがいえます。
だからこそ、高齢期からでも計画的にしっかりと運動・トレーニングをすることで健康なカラダを再度獲得することができるのです。

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