手関節の種類

手関節には遠位橈尺関節、橈骨手根関節、手根中央関節という3つの関節があります。

動きとして、背屈・掌屈・橈屈・尺屈・回内・回外があり、自由度の高い関節です。

骨としては、尺骨・橈骨・豆骨・三角骨・月状骨・舟状骨・大菱形骨・小菱形骨・有頭骨・有鈎骨で構成されています。

4つの関節はどのような動きを行い、どのような特徴があるのでしょうか?

遠位橈尺関節

遠位橈尺関節は橈骨と尺骨で構成され、近位橈尺関節と連動して前腕の回内・回外を行います。

この回内外運動は尺骨の周りを橈骨遠位が回旋性の偏位を行うことで起こります。

回内外運動の回転中心は中枢で橈骨頭、末梢では尺骨頭です。

尺骨頭は回内で背側へ、回外で掌側へ移動し、尺骨頭の高さは回内では尺骨頭は高くなり、回外では尺骨頭は低くなります。

橈骨手根関節

橈骨手根関節は橈骨と舟状骨・月状骨・三角骨で構成されます。

橈骨と手根骨は無数の靭帯で繋がっており、手根骨と手根骨も靭帯で繋がっています。

動きとしては背屈・掌屈・橈屈・尺屈を行います。

関節面は2つの窪みががあり、舟状骨窩と月状骨窩がそれぞれ骨の受け皿となります。

また、この関節面は掌側に11〜12°ほど傾いており、橈骨茎状突起を頂上として掌側側の関節面に向けては22〜23°傾斜しています。

背側から橈骨遠位を見るとリスター結節を確認することができ、リスター結節の尺側に長母指伸筋腱が通り、腱の走行を変える役割をしています。

尺側から見ると、尺骨切痕と月状骨窩は連続して見えるので、橈骨手根関節と遠位橈尺関節は繋がっているように見えますが、関節円盤が存在するので繋がってはいません。

手根中央関節

手根中央関節は豆骨・三角骨・月状骨・舟状骨(近位手根骨)大菱形骨・小菱形骨・有頭骨・有鈎骨(遠位手根骨)で構成され、手根骨と手根骨は手根骨間靭帯で繋がっています。

近位手根骨ではそれぞれの骨によって運動性が異なり、舟状骨ですと橈掌側掌屈、月状骨ですと掌背屈、三角骨ですと回内外方向への運動性を示します。

月状骨は橈骨と遠位手根骨の間に存在する骨ですので、背屈位に偏位しやすいです。

橈骨手根関節と手根中央関節で背屈と掌屈を行っていますが、背屈ですと橈骨手根関節で約66%、手根中央関節で約34%背屈運動を行っており、掌屈ですと橈骨手根関節40%、手根中央関節で60%の掌屈運動を行っています。

ですので、背屈運動では橈骨手根関節が、掌屈運動では手根中央関節が優位に働きます。

関連記事

  1. 肩甲帯の運動

  2. 末梢の構造の性差によるスポーツ障害

  3. 脊椎の解剖

  4. 深層外旋六筋

閉じる