私たちが「脂肪」と聞くと、どうしてもダイエットの敵とか、体にとって悪いものというイメージを持ちがちですが、実は脂肪というのは私たちの体にとってなくてはならない、とても重要な存在なんです。脂肪はエネルギーの貯蔵庫としてだけでなく、体を守り、ホルモンをつくり、細胞を構成するためにも使われています。パーソナルトレーニングを始めて、健康的な体づくりを目指す人にとっても、脂肪の正体を正しく理解することはとても大切です。
まず、脂肪にはいくつか種類があります。一般的に脂肪と聞いて多くの人が思い浮かべるのは「中性脂肪」だと思います。これは体に蓄えられる脂肪のメインで、皮下脂肪や内臓脂肪として貯まっていきます。食事から摂った脂質や、余分な糖質が中性脂肪として体に蓄積される仕組みになっていて、いわば「エネルギーの貯金箱」のようなものです。動かない生活や過食によってこの中性脂肪が増えすぎると、肥満や生活習慣病のリスクが高まってしまうのはよく知られていますよね。

中性脂肪は、グリセロールと呼ばれるアルコールの一種と脂肪酸がくっついてできています。脂肪酸にも種類があって、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸といった分類がされます。不飽和脂肪酸の中でも特に、オメガ3脂肪酸(EPAやDHAなど)は、血液をサラサラにしたり、炎症を抑えたりする働きがあるとされていて、体にとって非常に良い影響をもたらします。これに対して、トランス脂肪酸のように人工的に作られた脂肪酸は、動脈硬化のリスクを高めるとして、過剰な摂取が問題視されています。
次に「コレステロール」も脂肪の仲間です。コレステロールと聞くと「悪者」というイメージを持つかもしれませんが、実はこれは細胞膜の材料になったり、ホルモン(例えばテストステロンやエストロゲンなど)の原料になったりと、体内で非常に重要な働きをしています。ただし、血中のLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が増えすぎると、血管の内側にこびりついて動脈硬化を引き起こす原因になります。逆に、HDLコレステロール(善玉コレステロール)は、この余分なコレステロールを回収してくれる役割を担っています。
また、「リン脂質」という脂肪もあります。これは、細胞膜の構成要素の一つで、水と油の両方になじむ性質を持っているため、細胞の外と中の環境をうまく区切ってくれる役割をしています。体の中のあらゆる細胞が正常に機能するためには、このリン脂質が欠かせません。
脂肪が蓄積される場所についても知っておくといいでしょう。皮膚のすぐ下にある「皮下脂肪」は、体温の維持や外部からの衝撃を吸収するクッションのような役割を果たします。一方で、腸のまわりなど内臓の奥に蓄積される「内臓脂肪」は、過剰になるとメタボリックシンドロームの原因になります。特に内臓脂肪は、インスリン抵抗性を高めてしまったり、慢性炎症を引き起こしたりして、糖尿病や心疾患のリスクを上げるといった研究も多く報告されています。
ただし、脂肪がすべて悪いわけではありません。実際、脂肪は1gあたり9kcalという非常に高いエネルギー量を持っていて、飢餓状態などにおいては貴重なエネルギー源となります。また、脂溶性ビタミン(A, D, E, K)を体に吸収させるためにも脂肪は必要不可欠です。脂肪が極端に不足すると、ホルモンバランスが崩れたり、免疫力が落ちたり、生理が止まったりといった症状が現れることもあります。

つまり、大切なのは脂肪の「質」と「量」、そして「バランス」です。脂肪の摂取を完全にゼロにすることではなく、体にとって良い脂肪を適切な量だけ摂り、不要な蓄積を防ぐ生活習慣を持つことが健康づくりの基本になります。
福岡でパーソナルトレーニングを始めたいと思っている方にとっても、こうした脂肪の正体を知っておくことはとても大事です。ただ食事制限をしたり、がむしゃらに運動をするのではなく、どんな栄養が体にどう働いているのかを理解したうえで行動することで、より効果的に、そしてリバウンドしにくい体づくりができるようになります。正しい知識と専門家のサポートを受けながら、脂肪とうまく付き合って、健康的な体を目指していきましょう。



















