内側側副靭帯は大腿骨内側上顆から脛骨内顆部に付着する靭帯で、膝関節の外反及び下腿の外旋を制御しています。
外側側副靭帯は大腿骨外側上顆から腓骨頭に付着する靭帯で、膝関節の内反と下腿の外旋を制御します。
内側側副靭帯損傷が外側側副靭帯損傷よりも頻度が高く、前十字靭帯や半月板など他の損傷を合併することが多いです。
発生機序としては、内側側副靭帯は膝関節に強い外反力が加わり損傷し、外側側副靭帯は膝関節伸展位で強い内反力が加わり損傷します。
症状としては、膝関節の損傷側に運動時痛や限局した圧痛・腫脹を認めます。
重症例の場合、受傷時に断裂音(pop音)を聞くこともあり、内側側副靭帯損傷では膝関節の外反動揺性が、外側側副靭帯損傷では膝関節の内反動揺性が出現します。
徒手検査としては、側方(外反・内反)動揺性テストと牽引アプレイテストとがあります。
治療法としては、急性期はRICE処置を行います
関節の動揺性を認める場合には、膝関節軽度屈曲位で副子固定を施し、免荷を指示します。
疼痛などの症状が軽減すれば副子を除去し、物理療法、大腿四頭筋やハムストリングを中心とした運動療法を行い、膝関節機能回復に努めます。
この際、装具やテーピングなどを施して膝が受傷肢位を取らないように注意します。