スポーツ現場での運動強度やコンディショニングチェックの方法として心拍数の測定が有効とされていますが、なぜ有効なのでしょうか。
そもそも心拍数とは
心拍数とは1分間に心臓が拍動した数であり、言い換えると1分間に心臓の筋肉が何回収縮したかを表します。
心臓の筋肉は自分で収縮させようとしても収縮できない不随意筋であり、自律神経によって収縮がコントロールされます。
自律神経は交感神経と副交感神経に分けられ、交感神経が優位だと心拍数が増加します。
環境によってどちらの神経が優位になるか左右され、極度の緊張状態にあると交換神経が優位に働き心拍数が増加します。
よって、心拍数を測ると交感神経と副交感神経のバランスを確認する事ができます。
また、心拍数と似ている言葉として心拍変動がありますが心拍の速さの変化のことであり、心拍変動は心拍数よりも安定的・明確に交感神経と副交感神経のバランスを測る事ができます。
どのように測るか
心拍変動の方が心拍数よりもバランスを測ることができますが機械が高価なため一般的には心拍数を用いて疲労度をチェックします。
方法としては2種類あり、①安静時心拍数を計測する方法と②運動時心拍数と安静時心拍数の差分を指標とするHeart rate recovery(HRR)という方法があります。
安静時心拍数を正確に測るために睡眠時に測ると良いです。
①の方法として運動量が増える=疲労がたまると安静時心拍数が増加するという研究結果をもとに、日頃の安静時心拍数の平均と比べて疲労度を判断します。
疲れていたら安静時心拍数が上がりやすく、疲れをあまり感じていなければ心拍数は平均ぐらいです。
②の方法は心拍数が160〜180まで上がる運動中の最後の30秒間の平均心拍数から60秒後の心拍数を引くことで求められます。
安静時心拍数の増減を見ることはオーバートレーニング症候群の予防になりますので、運動している人は安静時心拍数だけでも測るようにしましょう。