肋骨は外力が受けやすいために骨折が発生しやすいです。
閉経期を過ぎた女性では骨粗鬆症を起こしていることが多いので、軽微な外力・激しい咳でも骨折します。
幼少年期の肋骨は弾力性に富んでいるために骨折はまれです。
発生機序としては、直逹外力と介逹外力の2つがあります。
1:直逹外力
墜落・衝突により、胸郭内方に向かっって肋骨が屈曲し骨折を起こします。
この時の骨折部の転位は胸郭内方凸の転位となります。
2:介逹外力
前後または左右の方向から胸郭が圧迫され、その直角方向に胸郭外方に向かって働く屈曲力で、肋骨の持っている弾性力以上に屈曲され骨折を起こします。
この時骨折ぶの転位は胸郭外方凸の転位となります。
また、高齢で骨粗鬆症の進行した人では過激な筋収縮(激しい咳・くしゃみ)で発生するものも見られます。
ゴルフスイングによる骨折は疲労骨折と考えられます。
一般に、骨折には典型的な骨片の転位は認めません。
よく起こる部位としては、第5〜8肋骨に多く、特に第7肋骨に多いです。
症状としては、疼痛・軋轢音・転位と変形が見られます。