加齢による身体の変化

歳を重ねるにつれ身体の各部分が変化していきます。

今回は①筋骨格②神経③呼吸循環器④免疫機能の4つの変化のうち①・②について書いていきます。

①筋骨格の変化

筋パワーは加齢によって直線的に低下し、下肢の低下が著しく起こります。

大腿前面や腹部、上腕後面で筋断面積が減少し、筋繊維では速筋線維でより萎縮しやすいです。

よって、歳を重ねるにつれ早い動きや強い力は発揮しにくくなります。

予防として筋力トレーニングを行うことが有効です。

また骨では関節軟骨が徐々に変形・摩耗し、疼痛や骨の変形、可動域制限を起こし、変形性関節症となります。

骨量は徐々に減っていき閉経後の女性で減少しやすく骨粗鬆症になりやすいです。

予防としては日常の身体活動の多い人ほど骨密度が高い傾向があるため意識的に動くようにしましょう。

神経系の変化

脳が身体に命令を送ることによって身体を動かすことができます。

脳の重量は20歳程度で最大となり加齢とともに減少し、50歳以降の減少率が大きく、70歳の脳は20歳に比べて7%も減少しています。

よって、末梢神経の伝達速度も低下し、尺骨神経の伝達速度は20代と80代では15%も低下しています。

神経伝達速度の低下は反応の遅れを引き起こし、細かい動きや素早い動きの低下要因になります。

運動単位(1つの運動ニューロンが支配する筋繊維のまとまり)は60代以上で減少します。

これは運動ニューロンの数が減少し、生き残った運動ニューロンは代償作用としてより多くの筋繊維を支配するため動作の巧緻性の低下があります。

バランス機能として閉眼片足だち時間を測定すると20代をピークに年々急激に低下していきます。

 

 

今回は筋骨格系・神経系について書いていきました。

明日は呼吸循環系と免疫機能の加齢変化について書いていきたいと思います。

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