脂溶性ビタミンを考える|フィジオ福岡 栄養科学

ビタミンは、三大栄養素をエネルギーに変換したり、分解した成分を組み合わせて必要な物質を作ったりする働きをしています。

ビタミンは、体の構成成分にはなりませんが、それぞれに働きがあり、脂溶性と水溶性に分類することができます。

まず脂溶性ビタミンはビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの4種類あります。

これらは油と一緒に摂ることで吸収が高まります。

脂溶性ビタミンを多く含む食品は、油を使って炒める、オイル入りのドレッシングを使う、もしくは脂質を含んだ肉や魚と一緒に摂ることでそのビタミンの吸収が高まります。

また、比較的熱に強いこともその特徴に挙げられます。

ビタミン自体が細胞を作ることはありませんが、例えば骨を構成するカルシウムの吸収をアップさせたり、細胞膜を作ったり免疫にも関与しています。

成長や免疫に関わるビタミンA

レバーに多く含まれるビタミンAは、牛よりも鳥や豚レバーに多く含まれるといわれています。

うなぎ、たら、あなごやあん肝などの魚介類や、人参、ほうれん草、春菊などの野菜にも含まれます。

レバーなどの動物性食品にはビタミンAとして、野菜にはベータカロテンとして含まれているのが特徴です。

ベータカロテンが過剰摂取になることはなく、例えば毎日人参やほうれん草などを食べても問題はありません。

一方で、過剰摂取が問題となるのはビタミンAです。

とりすぎると頭痛や吐き気などが起こることがあります。

ビタミンAは、成長や免疫に関わるビタミンで、視覚にも関わり、不足すると目が見えにくくなり、夜盲症になることもあります。

また、皮膚や喉、鼻の粘膜などを健康に保つ役割もあるので一定量は意識して摂取することが必要です。

DとE

ビタミンDは、鮭やサンマ、イワシ、しらすなどの魚介類に多く、しいたけやきくらげなどのきのこ類、卵にも含まれます。

主にカルシウムの吸収を助けるため、骨の強化と筋肉増強作用があります。

つまり、ビタミンDは筋肉をつけながら骨を丈夫にできる栄養素になります。

このビタミンDは食べなくても紫外線に当たることで体内に作ることが可能です。

太陽の照射にもよりますが、15分から1時間程度で1日に必要なビタミンDを作ることができるといわれています。

 

ビタミンEは、あゆ、うなぎ、カニなどの魚介類やアーモンドなどのナッツ類、かぼちゃなどに含まれます。

トレーニングをすることで、体には活性酸素という体のサビの原因となる物質が作られます。

これをいかに体から除去するかが、体作りには大切です。

ビタミンEは、この活性酸素を除去する強力な抗酸化作用があります。

また単独でビタミンEだけを取るよりもビタミンAとビタミンCと同時に摂ることで作用がアップすることが奉公されています。

これらの栄養素の頭文字を取ってACEのビタミンともいわれます。

ちなみにビタミンEは、血流にも関係があり、冷え性などの緩和にも効果があるといわれています。

血流が良くなれば、栄養素なども体の隅々まで運ばれやすくなり、代謝が上がるため体を温める効果も期待できます。

ビタミンKと納豆

ビタミンKは、骨粗しょう症の治療薬として使われるなど骨の形成の促進効果が認められているビタミンです。

一方で、不足すると血が止まらなくなるともいわれています。

一般的にビタミンKを摂取したいならば何といってもオススメは納豆。

納豆にはビタミンKが多く含まれ、さらには納豆菌も腸内でビタミンKを作るということがわかっています。

日本人はただでさえカルシウム不足の傾向がありますが、それなのに欧米人と比べて股関節の骨折が少ないのは、納豆を食べているおかげという見方さえあります。

また、通常の納豆よりもひきわり納豆を選ぶとさらにビタミンKが摂取できます。

なんと通常の納豆に比べひきわり納豆は1.5倍もビタミンKが含まれているといわれています。

このビタミンKですが、モロヘイヤやほうれん草、ケール、ブロッコリーなどの野菜に多く含まれます。

以上が脂溶性ビタミン4つの特徴。

少し意識的に摂取してみるのもありですね。

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