脳神経とは、脊椎動物の神経系の中で、脳に出入りする末梢神経のことをいいます。脳神経に対して脊髄に出入りする末梢神経は脊髄神経といいます。
哺乳類、鳥類、爬虫類では主要なものとして左右12対あります。
12対の脳神経は、嗅神経、視神経、動眼神経、滑車神経、三叉神経、外転神経、顔面神経、内耳神経、舌咽神経、迷走神経、副神経、舌下神経からなり、順に第1脳神経、第2脳神経〜第12脳神経となります。
脳震盪などが疑われる際に、目で指を追わせたりするのはこれらの脳神経に異常がないかを確認するためでもあります。
脳神経疾患では、嗅覚、味覚、視覚、顔面の感覚、顔の表情、聴覚、平衡感覚、発話、嚥下(ものを飲み込むこと)、首の筋肉に影響が現れます。第2脳神経(視神経)の一方が損傷すると片方の眼が失明する、眼球の運動を制御する3つの脳神経(第3、第4、第6脳神経)のうちいずれかが損傷すると正常に眼球を動かすことができなくなる、第3脳神経(動眼神経)が麻痺すると上まぶたが麻痺し、上まぶたが垂れ下がり視界が妨げられる、第8脳神経(内耳神経)は平衡感覚を制御しているためこの神経が損傷したり機能しなくなったりすると回転性めまいが起こるなどの症状が現れます。また、様々な顔面の痛みや頭痛の原因になることもあります。
脳や脊髄の損傷は生活に大きな影響を与える可能性があるので、これらへの衝撃などは最小限に抑える必要があります。