三大栄養素として炭水化物・タンパク質・脂質があります。
脂質は三大栄養素の中でも最もエネルギー量が多く1g当たり9kcalです。
脂質は有機溶媒であるクロロホルムなどでしか溶けず、炭素・水素・酸素で構成されています。
脂質の役割として、エネルギー源になることはもちろんですが、ホルモンの材料になったり、脂肪として蓄えられ臓器の保護や体温の維持など様々です。
また、脂溶性ビタミンであるビタミンA・D・E・Kの吸収を促すので、不足すると欠乏症を引き起こしてしまいます。
体に蓄えられている脂肪(中性脂肪)はどのような構造になっているのでしょうか?
中性脂肪の構造
中性脂肪はグリセロール(グリセリン)に脂肪酸が結合したものを言います。
グリセロールは科学的にはアルコールの仲間で、他の分子と結合できるヒドロキシ基(ーOH)が3つ付いているアルコールです。
それぞれのヒドロキシ基に種類の違う脂肪酸が結合できますが、1つのヒドロキシ基に脂肪酸が結合しているものをモノグリセリド、2つのヒドロキシ基に2つの脂肪酸が結合しているものをジグリセリド、3つのヒドロキシ基に3つの脂肪酸が結合したものをトリグリセリドと言います。
中性脂肪はこの中のトリグリセリドとされています。
脂肪酸は鎖状の炭化水素の1価のカルボン酸で「Cn Hm COOH」と現します。
脂肪酸は合成される際に炭素数が2個ずつ増えていくので炭素数は基本的に偶数になります。
炭素数が4個以下のものを短鎖脂肪酸、5〜10個のものを中鎖脂肪酸、12個以上のものを長鎖脂肪酸と呼んでいます。
これより、簡単にいうと中性脂肪はグリセロールに脂肪酸が3本結合しているものと言えます。
必須脂肪酸
脂肪酸は炭素の鎖の結合の仕方で大きく分けて2つに分類されており、単結合しているものを飽和脂肪酸、二重結合しているものを不飽和脂肪酸と分類されています。
不飽和脂肪酸の中でも、二重結合の部位が1箇所のものを一価不飽和脂肪酸、複数あるものを多価不飽和脂肪酸と言います。
ドコヘキサエン酸(DHA)は魚の油に多く含まれる脂肪酸ですが、これは多価不飽和脂肪酸に分類されます。
また、DHAは体内で生成できない脂肪酸であり必須脂肪酸と言われています。
必須脂肪酸は人では6種類とされており、ωー6脂肪酸とωー3脂肪酸に分けられます。
ωー6脂肪酸としてはリノール酸・γーリノレイン酸・アラキドン酸、ωー3脂肪酸としてはαーリノレイン酸、EPA、DHAが挙げられます。
EPAやDHAは体脂肪燃焼効果があるとされているのでダイエットにおすすめです。