ダイエットを考える上での生体機能|フィジオ福岡 ダイエットの科学

現在知られている生体の機能には、三大栄養素を体外に排泄する機構は基本的には存在しないことがわかっています。
したがって、 体内に吸収されたエネルギーは消費(燃焼)されるか蓄積されるかのいずれかになります。

エネルギー保存の法則

人体は健康状態ではエネルギー漏れの機構は備えておらず、余ったエネルギーは体内に蓄積されることになります。
ここで余ったエネルギーというのは食物から供給されたエネルギーと、酸素消費量や発生熱量から評価された消費エネルギーの差であり、人間の体内では何段階もの複雑な生化学反応が行われていることになりますが、エネルギー的に見た場合にはきちんと保存則が成り立っているということがわかります。

いわゆる”エネルギー保存の法則”です。

この結論のエネルギー保存には、物理でいうエネルギー保存則と、生化学エンジンとしての人体がエネルギー漏れ(三 大栄養素や未知の化学物質の排泄)をしていないという二つの段階が含まれていることは注意が必要です。

消費されるか蓄積されるか

複雑な生化学反応システムを持つ人体に対しても、全体を見ればエネルギー保存則がきちんと成り立っていて、摂取したエネルギーは決して無くならず、消費されるか蓄積されるしかないということです。
生化学エンジンとしてみた場合の人体はエネルギー漏れの無い非常によく出来た良いシステムといえます。

筋肉で消費される場合には、外への力学的な仕事になるのは消費エネルギーの10%〜20%程度であり、残りは熱になります。0
また、蓄積される場合には、消費時と同じ換算比でその分が体重に変わることになります。

ここで挙げた数字は健康な人間の標準的な値であって、食物バランスや適度な運動といったことは、生化学エンジンである人体の連続運転を行うための調整方法と考えるべきであって、疲れて動けない状態であっても体脂肪があればもちろんエネルギー不足ではないということもいえるでしょう。

自然な現象を再認識すること

ダイエットへの教訓としては、
①エネルギーの供給過多を辞めること。
過剰エネルギーはエネルギー保存則にのっとって、体内に正しく貯蓄されることになります。

②化学物質としてのエネルギー排泄はできないこと。
摂取してしまったエネルギーは消費することでしか減らせないということです。

③発熱を伴う酸素結合(燃焼)以外にはエネルギー消費できないこと。
様々な手技やエステなど脂肪燃焼など謳うものががありますが、酸素を使った発熱を伴う燃焼以外にはエネルギーは消費されないということ。

という極めて自然な現象を再認識することから始めるべきです。

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