運動学習に基づいた練習方法 | フィジオ福岡 いかにして反復練習するか

スポーツを行ううえで、遠くへ飛ばす技術や早く投げる技術、正確に飛ばす技術を練習することはパフォーマンス向上のうえでかかせないものです。こういった練習をするということには、適切なフォームや理にかなった動きを学習するということ、つまり「運動学習」がその根底に存在します。

運動学習の過程は、「認知段階」、「連合段階」、「自動化段階」の3段階

運動学習とは、「巧みな課題遂行の能力を比較的永続する変化に導くような実践あるいは経験に関係する一連の過程である」と言われています。そしてこの運動学習の過程は、「認知段階」、「連合段階」、「自動化段階」に分けることができます。一般に「認知段階」では、何を行うかを理解し、言語的に戦略を考える段階、「連合段階」では、どのように行うか、様々な戦略が試され試行錯誤する段階、自動化段階では、手続きは自動化され、注意は減少し言語は不要になる段階のことをいいます。

いざ専門用語でならべると複雑ですが、その内容に目をむけると、最初は頭で考える、そして繰り返し練習、結果として無意識でできるようになってるってやつですね。
これが運動学習の基礎になるというのは忘れてはいけない部分かと思います。

理想的なパフォーマンス、自分の理想とする動作なりを、できるだけ鮮明にイメージする

1つ1つの段階をもう少し細かくみていくと、「認知段階」では、課題を明確にし理想的なパフォーマンスを提示し、視覚を中心とした感覚の手がかりによるパフォーマンスの強化を伴った練習を行うのが効率的であると言われています。その代表例がイメージトレーニングですね。イメージトレーニングが運動学習を促す手法として期待され、その有効性については多くの報告が「実際の運動との併用が有効である」と結論づけていますが、非常に効果を発揮するものであると知られています。最初の段階である「認知段階」では、まずは理想的なパフォーマンス、自分の理想とする動作なりを、できるだけ鮮明にイメージする、できるなら視覚を頼って映像をみるように、そして動的感覚をイメージしてみるというのがポイントです。イメージなんだから、できるだけ自分の都合の良いようにイメージしていくことが重要であるとも言われています。

身体からの適切なフィードバックを選択してフォームやタイミングの修正を行う

そして次の「連合段階」では、身体からの適切なフィードバックを選択してフォームやタイミングの修正を行う、いわゆる反復練習を行う段階になります。実際に動作を繰り返すことにより、視覚的なフィードバックへの依存を減らし、筋や関節、または他の感覚器からの固有感覚フィードバックを促すことが重要で、この段階ではまさしく「考えるな、感じろ!」というのがコンセプトになっていきます!反復練習をするときには、鏡を見ながらやろうとする選手も多かったりしますが、実は視覚的なフィードバックはないほうがいいので、むしろ目隠しして他の感覚器からの情報を統合して動きを作っていくほうが得策なのかもしれませんね。この段階では「動きの感覚」、いわゆる「動感」をつかむことが大事であり、この動感をつかむということが以前にもいった「コツを掴む」というようなことになるのだと思います。

「内的因子(自己)」ではなく、「外的因子(ボールやラケットなど自己ではない他のもの)」に意識を向ける

一度「コツを掴む」ことができれば、今度は考えなくても自動でできるようになる「自動化段階」に入ります。この段階では、「運動」そのものへの注意を減少させ「勝手に動く」、自動化を促すよう行うことが重要です。「勝手に動く」ということを考えていたら、やはり「自分の動き」を追ってしまうことになりますので、ポイントはこの段階では「自分の動き」ではなく、ボールがどこに飛んだか、ボールがどう飛んだか、ラケットがどう動いたか、など自己ではない「外側」に対して意識を向けることが重要になります。この自動化の段階では「内的因子(自己)」ではなく、「外的因子(ボールやラケットなど自己ではない他のもの)」に意識を向けることでより動きが自動化、結果として洗練された動きの表出が可能になっていきます。さらに環境や課題のバリエーションを変化させても、一貫したパフォーマンスが行われるようまた繰り返すというのが運動学習の基本的な流れになっていきます。

本日のポイント

ぜひ何か新しい運動に取り組んだり、フォームを改造する場合などは、
①まずは頭で理想とするいいイメージを考える!
②そのイメージをもって反復練習、徐々に頭で考えるのではなく、その動きを身体の感覚でつかむこと。視覚に頼らず、感覚頼みで!
③感覚がつかめたら、今度はいろんな環境でその感覚が出せるかどうかの繰り返し。自分の動きを意識するところから、動き以外のものに意識をフォーカス!

ぜひこのポイントを押さえて練習してみてくださいね!

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