骨軟骨損傷②

今回は、骨軟骨損傷の病型について書いていきます。

a.非分離型(病巣部は周囲からの隆起などで区別されるが、明らかな不連続性がないもの)骨端線閉鎖前であれば、運動制御および病巣部に対する免荷による保存療法で修復が期待できます。保存療法の期間は2~6ヵ月と長期におよぶため、特に活動性の高いスポーツ選手にとっては精神的ダメージが大きくなり、早期スポーツ復帰を目的としたケースでは関節鏡視下でのドリリング(病巣への血行を改善させて癒合促進を促す手術)も選択肢となります。保存療法を6ヵ月以上行っても治癒傾向にない場合は鏡視下ドリリングを考慮します。

b.分離型(離断した骨軟骨片と周囲組織とに明らかな不連続性があるもの)骨端線閉鎖前で、分離部の不安定性が少ない場合には鏡視下でのドリリングで対応できます。骨端線閉鎖後では、分離部が不安定なことが多くドリリングの効果も低いため、骨軟骨片の内固定を行います。術後は1~2ヵ月間の免荷が必要で、復帰には4~6ヵ月以上必要となります。

c.遊離型(離断した骨軟骨片が母床から遊離したもの)遊離した骨軟骨片を吸収性ピンなどで再接着しますが、遊離した骨軟骨片の損傷や変性が著しい場合や発見できない場合は、骨膜移植や自家骨軟骨移植(モザイクプラスティー)を行います。モザイクプラスティ―は非荷重部の関節面から自家骨軟骨柱を採取し病巣部へ移植する手術で、正常な関節軟骨を再現できるというメリットはありますが、術後は1~3ヵ月間の免荷が必要で、復帰には6ヵ月以上要します。

関連記事

  1. 骨粗鬆症を予防しよう②

  2. 頚部捻挫

  3. スポーツによる変形性膝関節症

  4. 靭帯の強度と加齢変性 |軟部組織に対するアプローチ

  5. 腰椎分離症

  6. 筋筋膜性腰痛症

閉じる