手関節捻挫

手関節の捻挫は、アスリートがプレー中に転倒して地面に手をついた際に発生することが多くなりますが、スポーツをしている人だけでなく、一般の方でも転倒した際に起こります。手関節に生理的許容範囲を超える動きが要求されたときに、その外力に耐えきれず関節支持組織の靭帯や関節包、あるいは滑膜が損傷します。手関節捻挫は主に部分的な靭帯損傷を指しますが、どの靭帯が損傷しているかを確認できないことも少なくないそうです。靭帯の部分損傷であれば、1~2週の局所安静をすることによって治癒しますが、過度なストレスを加え続けていると治癒が遅れることがあります。

症状は、外傷性炎症症状と関節支持機構の破綻による構造上の不安定性となります。炎症症状として、「発赤・腫脹・熱感・疼痛・機能障害」がみられ、受傷直後は疼痛のみで他の炎症所見は軽度になりますが、時間の経過とともに出血や腫脹の増大がみられ、その後に関節全体の浮腫が認められるようになります。第Ⅱ度、第Ⅲ度の捻挫では、靭帯の損傷もしくは断裂があり、関節の安定性が低下します。代表的な手関節不安定性は、月状骨が掌側へ傾く変形と、背側に傾く変形があります。また、X線画像で骨の異常が見られない為、手関節捻挫と診断されたケースで痛みがなかなか引かなく、MRIを確認すると87%に骨折や骨挫傷が認められた報告もありますので、鑑別は重要なものになります。

治療は、急性炎症に対してはRICE処置を行います。関節不安定性が残存すると、上肢を使用するスポーツ動作に支障をきたすため、一定期間の固定をし、損傷靭帯の治癒を促します。不安定性が残存し動作が阻害される場合においては手術も検討されます。

 

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