マルアライメントとは骨の配列を指す「アライメント」が崩れている状態を指します。
骨盤のマルアライメントは腰痛や身体の歪みの原因になるため改善は必須といえます。
骨盤マルアライメントはどのような原因因子があるのでしょうか?
解剖学的因子
解剖学的因子とは生まれつきの解剖学的特徴で、骨の形や軟部組織の付着部の位置などが含まれます。
これらを保存療法で治すのは難しく、補装具などを利用し骨盤の安定性を高めていきます。
具体的には骨盤ベルトという補装具を使用します。
不安定性・関節弛緩性
不安定性や関節弛緩性に関わってくる組織として靭帯があります。
靭帯は1度損傷すると元通りに戻すことは不可能であり、安定性を得るために靭帯を短縮させるような保存療法は存在しません。
靭帯に限らず、関節包の伸長による不安定性には筋力トレーニングを実施するケースもありますが、これでも関節運動を完全に制御することは不可能です。
骨盤付近にも靭帯は多数存在し、不安定性が起こりやすいですが、筋力トレーニングに加えて骨盤ベルトで骨盤輪を圧迫して安定性を図る場合もあります。
滑走不全
体にある各軟部組織間には滑走性があり、互いの位置関係や緊張を保持しています。
しかし、寝る時の体勢による臀部の圧迫や長時間座ることによる圧迫は、臀部周囲の軟部組織間の滑走不全を起こし、股関節屈曲制限や大臀筋の機能低下を引き起こします。
滑走性が失われた軟部組織間の周囲では緊張の亢進や伸張性低下がみられ、マルアライメントの原因にもなります。
滑走不全を防ぐためにも連続して座る時間を短くし、少し運動することも大切です。
筋機能不全
筋機能不全が起こると、関節の正常なアライメントを保持することができず、その結果マルアライメントの原因になります。
大臀筋の機能低下が起こると、仙腸関節の安定性の低下や仙骨のマルアライメントを起こしてしまいます。
筋機能不全が起こっている場合、滑走不全も起こっていると考えられるので、先に周囲の滑走性を獲得することが大切です。
滑走性を獲得したのちにトレーニングを行うことで効率的に改善されます。
マルユース
マルユースとは間違った使い方を指し、マルアライメントを助長する不良行動パターンです。
有名なものをあげると、肩関節屈曲時の胸椎伸展を腰椎の伸展で補ったり、スイング動作をほとんど回旋しない腰椎で代償したりとさまざまです。
Knee-inもマルユースに含まれ、Knee-inによって腰痛が引き起こされている可能性もあります。
この場合は動作の修正を行い、正しい使い方を身につけることが大切です。
マルアライメントが起きている場合はどこに原因因子があって、どのようなことが起きているのか見極めることが大切です。
原因を見つけたら治療を進め、再発防止を目指します。