二関節筋の制約作用とは

二関節筋やそれ以上の関節にまたがっている筋が同時にすべての関節にわたって短縮する必要が生じた場合、ある点まで収縮すると、もはや効果的な筋の張力を生じることはできなくなります。

例えば、手関節を掌屈させたまま強く握りこぶしをつくることはできないか、できたとしても握る力は弱くなってしまいます。

しかし、手関節を背屈すれば握る力は強くなります。

これは筋の長さ-張力曲線の理論から指の屈筋を十分な張力を生じるためには、手関節を背屈させて屈筋を十分に伸張させることが必要であることを示します。

同じような例は、股関節と膝関節屈伸時のハムストリングスと大腿直筋の関係にもみられます。

膝関節を最大伸展させるためには、大腿直筋の長さを十分伸張させ、かつハムストリングスを弛緩させるために、股関節を伸展位にする必要があります。

一方、膝関節を最大屈曲させるためには、股関節を屈曲位にしてハムストリングスの長さを十分に伸張させ、かつ大腿直筋の緊張を弛緩させる必要があります。

このように、股関節屈曲、膝関節伸展筋である大腿直筋とその拮抗筋であるハムストリングスは、長さ-張力曲線の理論から全体として釣り合いが取れています。

しかし、股関節と膝関節の両端で同時に伸展を試みるとき、例えばハムストリングスは股関節と膝伸展を同時にするほど長くはないため、運動は困難となります。

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