今回は人がどのように疲労状態に陥るのか、疲労の原因について解説していきます。
原因を知っていれば早めの対策が打てそうですね。
五つのストレス
人が疲労するきっかけは五つのストレスに分類することができます。
それは①人間関係や仕事上の精神的なストレス、②過重労働などの身体的ストレス、③紫外線や騒音などの物理的ストレス、④化学物質や残留農薬などの化学的ストレス、⑤ウイルスや細菌感染などの生物学的ストレスの五つです。
①は人間関係の軋轢から生じる精神的ストレスで、言わずと知れた疲労の原因の不動のトップです。
②は職場での残業時間の増加やスポーツ選手のオーバートレーニングなどが含まれます。
③の騒音は現代的なストレス源ですね。
④は新しい建物の化学建材に目がチカチカしたり頭痛がするなどの過敏症が挙げられます。
⑤は人の常在ウイルスであるヒトヘルペス6型ウイルスが疲労時に再活性化するという問題も併せて起こります。
脳と疲労
さらに視点を変えて脳と疲労の関係を見ていきます。
例えば⑤に記載したウイルスや細菌に感染した場合には、「インターフェロン」というウイルスや細菌の増殖を抑える物質が脳内のグリア細胞という部位で作られるのですが、脳内のインターフェロンが「セロトニン」という精神の安定をもたらす物質の働きを阻害することが知られています。
なので部屋や職場を清潔に保つことが感染予防と同時にストレス対策にも有効ですね。
他にも脳の機能異常として情動系の情報処理能力の低下が挙げられます。
普段は温厚な上司が些細なことで怒りやすくなっている時は疲労が溜まっているのかもしれませんね。
また疲労は記憶を引き出す働きをする背外側前頭野の機能を低下させるため、疲労時はど忘れが多くなります。
イライラやど忘れが続いた時は少し休憩を挟んでみるといいかも知れませんね。