足部は荷重環境において踵骨の回内・回外と下腿の回旋が連動します。
この運動連鎖は立位や歩行などの荷重動作中に踵骨が回外するとそれに連動して下腿の外旋を生じさせ、逆に距骨が回内すると下腿は内旋します。
また下腿が回旋したときも踵骨の回内・回外が生じます。
踵骨ー下腿の運動連鎖は足部と下腿間での運動面の変換器の役割を担っていきます。
その役割のおかげで下肢の回旋ストレスを踵骨の回内・回外に変換することで和らげることができたり、踵骨の回内・回外を下腿回旋の引き金として波及させているのです。
踵骨・距骨・下腿の運動連鎖
この運動連鎖は踵骨と下腿の間に距骨が介在することで成り立っており、踵骨の回外と下腿の外旋には距骨の外転・背屈が伴い、踵骨の回内と下腿の内旋には距骨の内転・底屈が伴います。
このことを踏まえると踵骨・距骨・下腿の運動連鎖は距骨下関節と距腿関節の運動軸により影響されますが、この2つの軸の運動量は人により異なるものになります。
矢状面から見て距骨下関節軸の傾きが小さく足部長軸と平行に近いほど踵骨の回外・回内が優位な動態となり、距骨下関節の軸の傾きが大きく下腿長軸に近いほど踵骨の回内・回外に伴う距骨の内転外転が大きくなり、水平面自由度の小さい距腿関節を介して下腿回旋を大きく生じさせるのです。
この関係から足部アーチの扁平化(扁平足)は下腿に対する踵骨と距骨の前傾を引き起こすため、踵骨の回外・回内優位な動態へと変化させ、足部アーチの上昇(甲高)は下腿回旋を優位にするものだと考えられます。