女性と男性では生理的な違い、解剖学的な違いがあり、女性に多いスポーツ障害として「摂食障害」「月経異常」「骨粗鬆症」があります。
それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
生理的な違い
女性と男性では筋トレの効果に差があります。
これは性ホルモンの違いだと言われています。
男性が多く分泌される男性ホルモンはたんぱく同化作用があるので筋肥大がしやすいですが、女性では男性ホルモンの分泌が少ないため男性同様に筋肥大しないといわれています。
解剖学的な違い
解剖学の違いとして、重心が低い、骨盤が広くX脚が多い、四肢が身長に比べて短い、肘の外反角度が大きい、上腕の筋断面積は男性より15%ほど低く脂肪面積は16%大きい、尿道が短く膀胱炎になりやすい、皮下脂肪>内臓脂肪というような違いがあります。
関節弛緩性も高く突発的な外力を受けた際に怪我もしやすいです。
摂食障害
いわゆる「拒食症」と「巨食症」のことを言い、女性は男性の10倍発症しやすいとされています。
また、一般女性よりアスリートに多く、特にマラソンランナーや審美系の選手に多くみられます。
月経以上や貧血、疲労骨折とも関係するため、正しい知識を持った人が減量のサポートをしていくべきです。
月経異常
月経異常の原因として体脂肪量が考えられます。
通常月経は25〜38日で来るのが正常とされています。
月経異常には一度も月経が来ない「原発性無月経」90日以上来ない「続発性無月経」39〜89日で来るものは「稀発月経」24日以内で来るものを「頻発月経」とされています。
初潮には体脂肪17%以上必要とされており、スポーツをガッツリ行っている人は初潮が遅れることが多く、月経不順を訴える人も少なくないようです。
月経後10日間がパフォーマンスが良いとされていますが、月経中の方が柔軟性が上がったという報告もあるのでスポーツによって対応を考えなければいけません。
骨粗鬆症
骨粗鬆症は骨の代謝になんだかの異常が起こり骨吸収>骨形成となり骨密度が低下する状態です。
この状態が続くと骨折や疲労骨折が起こりやすく、原因として摂食障害や体重、女性ホルモンが関係してきますが、アスリートでは激しいトレーニングによる心身のストレスによる視床下部が変調を起こすことが原因とされています。
中足骨や脛骨、骨盤、恥骨が最も疲労骨折を起こしやすいです。
骨盤や恥骨の疲労骨折は治療に時間がかかるため注意が必要です。
男性が女性、特にアスリートに指導をする際は「違い」は何かを理解した上で行うことが重要です。