内腹斜筋の機能的役割

内腹斜筋の筋線維は腹壁筋群の中間層であり、外側腹壁を覆う筋層を形成します。その線維はいくつかの走行に分かれます。腸骨稜から第11、12肋骨に直接付着し、さらに第11肋骨尖端から起こる線に沿って形成される腱膜を介して、肋骨に間接的に付着する上前方方向へ走る線維、また腹直筋鞘へ水平方向に走り、前壁形成に関与し、さらに正中線上で反対側からの同線維と一緒になり白線を形成する線維、最下部では鼠径靭帯に直接付着し水平方向に走り、その後、下内側方向へ斜走し、腹横筋と共同腱となり恥骨結合および腸骨稜上縁に付着する線維があります。これらの走行から、内腹斜筋は骨盤を前傾方向へ、また胸郭を骨盤の方向へ引き下げるようにその位置関係を保ち、さらに腹直筋鞘へ緊張を与えるという役割をもつと考えられます。腹斜筋の力学的効率は腹部周囲のらせん状の走行およぼ脊柱から離れた胸郭に付着することで高められ、腰椎と下部胸椎は動きやすくなります。

内腹斜筋は体幹回旋の主動作筋として有名。

また内腹斜筋は体幹回旋の主動作筋としてよく知られています。

体幹回旋は外腹斜筋との協同作用により行われます。例えば左側への回旋は、左側の内腹斜筋と右側の外腹斜筋の収縮により生じます。この筋の収縮によって生じる体幹回旋運動は、右殿部で体重を指示している場合には、体幹伸展を伴った回旋運動となります。回旋は一側の筋では行えず、反対側の筋が腱膜を固定するように働き、静的な保持を行います。

脊柱起立筋は体幹の回旋には直接関与せず、その活動は脊柱起立筋の深部に存在する横棘突起により効率的な回旋力が作り出されますが、むしろ腹斜筋が収縮したとき、必然的に生じる体幹の屈曲と側屈の運動を全体と釣り合わせるために働きます。腹斜筋の左右の線維が同時に収縮すれば脊柱を前屈し、胸郭を下げ、体幹屈曲に作用します。この屈曲に対して、内外腹斜筋は主動作筋である腹直筋の補助として働いています。

内腹斜筋は骨盤、胸郭、腰椎の位置関係を保ち、体幹を安定させるために重要。

内腹斜筋は下後方を締め付けるコルセット、外腹斜筋は下前方を締め付けるコルセットとして作用します。また内腹斜筋は深部に存在することから、体幹の安定性に重要な筋であるとされています。
内腹斜筋は胸腰筋膜を通じて間接的に腰椎に付着し、その収縮は胸腰筋膜へ緊張を与え、腰部を支持します。また背側から腹側へ付着することから、他の胸壁筋群と協同して腹腔内臓器を圧迫し、腹腔内圧を高め、腰椎の安定化機構に関与します。

また呼吸運動では他の筋と協働して胸骨と胸郭を固定し、横隔膜の働きを補助しています。いずれも身体運動の際に、骨盤、胸郭、腰椎の位置関係を保ち、体幹を安定させるために重要です。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。

閉じる