中性脂肪を分解するには

脂肪は脂質とも呼ばれ、3大栄養素の中では最もエネルギー量の多い栄養素です。言い換えれば、体内に貯蔵するには最も効率がよい物質になります。脂肪と言っても多くの種類がありますが、エネルギー貯蔵の役割をしているのは、いわゆる「中性脂肪」です。中性脂肪とは「グリセロール」に「脂肪酸」が結合(エステル化)したものです。グリセロールは化学的にはアルコールの仲間で3価のアルコールになります。3価とは他の分子と結合できる場所が3本あるということを意味します。

脂肪酸の正体

この3本に結合部分に種類の違う「脂肪酸」が結合します。1つは「モノグリセリド」、残りの2つに結合するのが「ジグリセリド」、3本すべてに脂肪酸が結合したものを「トリグリセリド」といい、だいたいの中性脂肪はこの「トリグリセリド」になります。従って、私たちが一般的に中性脂肪と考えているものは「トリグリセリド」になる訳です。一方、脂肪酸は化学的にいうと、鎖状の炭化水素の「1価のカルボン酸」というものになります。長い鎖状の両端にはそれぞれ「メチル基」、「カルボキシル基」が結合します。この脂肪酸、生合成される際に長鎖の炭素数が2個ずつ増えるのですが、炭化水素の数が4以下のものを「短鎖脂肪酸」、5〜10のものを「中鎖脂肪酸」、12以上のものを「長鎖脂肪酸」とよんでいます。

脂質の代謝

脂肪を燃やすためにはやはり代謝する必要があります。脂肪組織のホルモン感受性リパーゼが活性化されて、中性脂肪(トリグリセリド)が分解され、脂肪酸が血液中をアルブミンと結合した遊離脂肪酸として運ばれます。脂肪酸は、心筋、骨格筋に於いてカルニチンと結合してミトコンドリア内に輸送されβ-酸化により分解されてアセチル-CoAとなります。アセチル-CoAは、TCA回路(クエン酸回路)に導入され、NADH2+などが生成されます。脂肪酸分解(β-酸化)や、アセチル-CoAのTCA回路での代謝により生成されるNADH2+などは、呼吸鎖で酸化され、ATPが生成されます(エネルギー源になります)。なお脂肪酸は、心筋や骨格筋ではβ-酸化によりアセチル-CoAに分解された後、さらにTCA回路で代謝され、二酸化炭素と水にまで分解されますが、肝臓ではβ-酸化によりアセチル-CoAに分解された後、ケトン体に生成されます。

脂肪酸の分解を考える

それから、脂肪酸からはグルコースは合成できません。エネルギー不足時に糖新生が行われる際には、肝臓のミトコンドリア内では脂肪酸分解(β-酸化)によって生成されるNADH2+濃度が上昇するので、脂肪酸分解によって生成されるアセチル-CoAはTCA回路で酸化分解されず、ケトン体生成が盛んに行われます。脂肪酸分解によりミトコンドリア内のアセチル-CoA濃度が上昇し、糖新生が行われるとオキサロ酢酸はホスホエノールピルビン酸(PEP)に変換されるので、肝臓ではアセチル-CoAがクエン酸となってTCA回路で酸化分解される方向には代謝は進まなくなります。ただし、中性脂肪の分解に伴い生成されるグリセロール(グリセリン)は、肝臓でグルコースに糖新生されます。

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