大脳皮質の地図

皆さん、脳に地図があることは知っていますか?
もちろん脳に地図が描かれているわけではありませんが、大脳皮質には野によってその細胞構築に違いがあり、それを52野に区分したものを地図と呼んでいます。

ブロードマンの脳地図

これを創りあげたのはドイツの精神科医、神経学者であるブロードマンです。ブロードマンは大脳皮質組織の神経細胞を染色して可視化し、組織構造が均一である部分をひとまとまりと区分して1から52までの番号を振りました。大脳皮質は各部位がそれぞれが定まった役割を演じており、特定の機能は特定の場所で行われています。そのような場所を機能の「中枢」といい、それらが一定の領域に広がっているため、それを「野」といいます。そういった特定の部位が特定の働きをすることを機能局在性といい、ブロードマンの脳地図はその機能局在性においても重要な役割を果たします。

ペンフィールドの運動の小人(ホムンクルス)

例えば、大脳皮質中心溝前方の中心前回を中心とする領域は運動野とよばれ、ブロードマンの脳地図で第4野にあたります。これは全身の筋運動を司る領域です。この第4野はさらに機能局在性があり、身体部位に対応する局在があります。この局在を体部位局在といい、これはもうひとつの脳地図である、ペンフィールドの脳地図または、ペンフィールドの運動の小人(ホムンクルス)として有名です。

また、大脳皮質中心溝後方の中心後回には感覚野があり、全身の知覚の中枢があります。これはブロードマンの脳地図で第3,1,2野にあたります。ここも体部位局在があり、ペンフィールドの脳地図または、ペンフィールドの知覚の小人として有名です。
ペンフィールドはカナダの脳外科医、脳生理学者で、局所麻酔下で開頭手術を行い、患者と会話しながら皮質の運動、知覚、感情をモニターしながら機能地図を作りました。このように脳には地図があり、そして少し気味の悪い小人が住んでいます。

そう考えると脳はとてもおもしろいものですね。

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