肥満と恒常性

肥満とは、エネルギーの摂取量が消費量を慢性的に上回り、余剰なエネルギーが脂肪として蓄積することで生じます。一見簡単な減少のように見えますが、エネルギー代謝の恒常性は複雑に制御されているため、適切な体重を長期的に維持することは非常に難しことなのです。恒常性とは、常に私たち人間の体内環境を一定に保とうとする働きです。例えばそれは、体温であったり、血圧、血糖値などです。体温でいえば外が寒くてもそれに合わせて体温が低くなることはなく、身震いをして体を温めたり、逆に暑いときは汗をかくことによって熱を放出するよう脳から指令が出るようになっていて、体をコントロールるする機能です。

コンセプトは「エネルギー摂取と消費のバランスの調整」。

肥満を考える上で根本的なコンセプトは「エネルギー摂取と消費のバランスの調整」です。エネルギーの全てが食事に由来するのに対し、エネルギー消費は、基礎代謝(約60%)、運動・生活代謝(約30%)、そして体温調節(約10%)で構成されています。肥満とは、摂取エネルギーが消費エネルギーを慢性的に上回ることにより脂肪組織に過剰な脂肪が蓄積された状態なので、摂取エネルギーの制限と運動によるエネルギーを向上がもっとも効果的な解決方法です。

しかし、間違った知識から極端な食事制限のみを行う若い女性なども少なくはありません。食事制限のみを行ったダイエットでは、食事制限をしばらく継続すると徐々に基礎代謝が下がるため、食事制限をとめた途端に体は従来の摂取量であっても過食と認識してしまい、いわゆる「リバウンド」が起こります。逆に、運動によって消費エネルギーを増やすと、それと比例して食欲も増える傾向にあるので、運動のみで長期的に体重が減り続けることも難しいのです。また、通常、加齢とともに代謝量が減少するため、食事量がそれほど変わっていなくても脂肪量が増加する現象(中年太り)も起きます。これらも、体内環境を一定に保とうとする恒常性の働きであり、このエネルギー摂取・消費の恒常性は、中枢だけでなくさまざまな抹消組織との密接なネットワークによって制御されており、その機構は非常に複雑です。だからこそ、適正体重を長期間維持することは難しいのです。

体が重たい状態が常であれば、それを維持したいと働いてしまう。

体はなるべく常に同じ状態で安定していたいのです。体が重たい状態が常であれば、それを維持したいと働きます。だからダイエットは大変なのです。極端な食べ方に慣れてしまっていれば、それもまた維持しようとします。なので、急激な・極端なダイエットはやはりおすすめできません。私たちが生きていく長い時間を通して、常に心地よく居れる状態の体を目指していきませんか。

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