オートファジーについて

前回の投稿ではカロリー制限や断食をするとサーチュイン遺伝子が活性化してあらゆる不調に対して改善効果を発揮することを書きましたが、今回はサーチュイン遺伝子と並ぶカロリー制限や断食とは切っても切り離せないオートファジーについて解説していきます。

オートファジーとは

オートファジーのオートは自己、ファジーは食べるという意味で自食作用とも言われます。

自己の何を食べるのかと言うと、細胞内に過剰に溜まっているアミノ酸や古くなった細胞内小器官です。

日常的には老廃物を分解して身体を掃除して、飢餓時にはゴミをリサイクルしてエネルギーを作り出すというシステムです。

この働きのおかげで細胞が正常に働き続けられるのです。

細胞の寿命は短いものから長いものまで様々ですがほとんどの細胞は新しく生まれる細胞と入れ替わりながら役割を果たしてます(肌細胞のターンオーバーなどは有名ですね)。

しかし、長いもの(脳神経細胞や目の水晶体細胞など)はほぼ一生の間生まれ変わらずに働き続けています。

そんな時にオートファジーが上手く機能していないと病気になってしまいます。

たとえ病気までいかずとも細胞内に老廃物が増え、細胞内小器官が古びてくればエネルギーが上手く作り出されない状態になっていくのは想像がつくと思います。

オートファジーを引き起こすには

そんな大切な役割を果たすオートファジーは血中のインスリンやアミノ酸濃度によって引き起こされるので、一定の空腹時間が必要です。

だいたい食事から12時間でその効果が出始め、3日でピークに達すると言われています。

しかし、ずっと何かをつまみ食いしているような人でなければオートファジーは常に緩やかにですが起こっています。

温泉で足し湯と排水が同時に行われているのと同じような状況ですね。

ですので、効果を期待して過度な断食をしなくても大丈夫です。

食べすぎや飲みすぎが続くような時は食事を減らしてみるとスッキリするかもしれませんね。

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