肥満を国際的に概観すると、OECD加盟国でBMI30kgm2以上の割合をみると、日本の肥満度は低く男性4.4%、女性3.5%とされています。
米国の最新の肥満治療指針によると、3~5%の減量で心血管病危険因子の一部は臨床的に意義のある改善がみられますが、欧米から糖質制限法が導入され、本邦でも肥満や糖尿病、メタボリック・シンドロームやロコモティブ・シンドロームに対する効果が報告されてきています。
日本糖尿病学会が、日本人糖尿病患者の食事療法に関する提言をした中で、現時点では極端な糖質制限は避けたいとの立場を明らかにしています。
米国糖尿病学会(American Diabetes Association:ADA)は、科学的知識の変遷を数年ごと の声明で明らかにしていますが、近年糖代謝に関して認識すべき重要な変化として、
1)食事摂取後の血糖上昇は糖質のみであり、蛋白質や脂肪は影響しないこと、
2)脂肪燃焼に由来するケトン体は、人の脳でも筋肉でもエネルギー源として通常使われていること、
3)インスリン分泌能が保たれていれば血中ケトン体濃度の上昇は、臨床的に問題 はみられないといったこと、
を挙げています。
ADAは声明の中で、数多くの報告の検討から画一的なエネルギー処方は難しいとしていますが、 推奨する食事療法の具体的方法については, プチ制限法(夕食だけ糖質制限)、標準法(朝、 夕)、スーパー糖質制限法(3 食の糖質制限)があり、糖尿病に対する食事療法では、実施直後から血糖の上昇が抑制され肥満に対する食事療法では 2~4 週で減量効果が高く、メタボに対する治療効果も期待できると報告されています。
そういった意味でもダイエットにおける糖質制限は非常に効果的なものであると考えることができるでしょう!