ホルモンの働き

ホルモンは化学的にみると、ペプチドあるいはタンパク質系のものと、ステロイド系のものがあります。
前者には、膵臓から分泌されるインスリンとグルカゴン、脳下垂体前葉からの各種ホルモンなど多種類あり、後者には性腺ホルモンや副腎皮質ホルモンがあります。
この他、副腎髄質のアドレナリンはフェノール系で、プロスタグランジンは脂肪酸由来になります。

特定の標的器官のみ働く

ホルモンはごく僅かな量で働きます。たとえば、性ホルモンのエストロゲンは、約0.1μgを2〜3ヶ月続けて注射すれば、発情能力を失った雌のマウスを発情状態にすることができます。
ホルモンの特徴は、カギとカギ穴のように特定の標的器官のみ働くことです。

ホルモンが微量で標的器官のみに働くのは、そのホルモンと特異的に結合する受容体が標的器官の細胞のみ存在するためであることが分かっています。

受容体は細胞膜上に

タンパク質系のホルモンは細胞膜を通過できないため、受容体は細胞膜上に存在します。
ホルモンと細胞膜上の受容体が結合するとその情報がGタンパク質やcAMP(サイクリックAMP)など第2、第3の情報伝達物質を介して細胞内へ伝えられ、細胞の活動が変化します。

一方、ステロイド系のホルモンは細胞膜を通過できるため、受容体は細胞質に存在し、ホルモンと結合した受容体は核へと移行します。
いずれの場合にも、ホルモンは受容体をもつ細胞の遺伝子に作用して、その発現を変化させると考えられます。

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