脂肪動員の概要

炭水化物、脂肪、およびタンパク質は三大栄養素とよばれ、ヒトをはじめとして動物は、これらが様々な割合で混じりあったものを食餌として摂取します。
これらは生命活動に必要なエネルギー源になると同時に、からだを構築する材料ともなります。

エネルギーが不足した際には、「脂肪動員」が進む。

脂肪は、食餌から直接摂取されるほか、過剰に摂取したエネルギーを利用して、主として炭水化物から、体内で新たに合成されます。このようにして得られた脂肪は、脂肪組織を構成する脂肪細胞に貯蔵されていくのです。一方、空腹時や運動時など、エネルギーが不足した際には、脂肪細胞に蓄えられた脂肪は加水分解され、脂肪酸とグリセロールとなって血中に放出されます。この現象を「脂肪動員」といいます。

瞬発的な激しい運動よりも、持続的な有酸素運動の方が有効。

脂肪のもつエネルギーの大半は、脂肪酸に含まれています。脂肪酸はアルブミンというタンパク質と結合して血中を運ばれ、からだの各組織の細胞に渡されます。細胞内に取り込まれた脂肪酸は、ミトコンドリアで完全に酸化され、大きなエネルギーを放出するのです。運動時には、まずグリコーゲンが優先的に利用されますが、やがて脂肪の利用が始まっていきます。この際、脂肪酸の酸化には大量の酸素を必要とします。脂肪を消費するには、瞬発的な激しい運動よりも、持続的な有酸素運動の方が有効であるといわれるのは、そのためであると考えられます。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。