靴下と足底部の外傷

我々は、一日のうちに約8000歩かそれ以上歩いています。

その間、足底部は常に圧迫や摩擦ストレスを受けていることになり、こうしたストレスは足底部にマメや胼胝を作る原因となります。

足部アライメントや歩行様式など問題はさまざまですが、外的要因として靴とそして靴下も重要な要因であることが知られています。

靴下と足部損傷について研究したDelporteらは、靴下により足部と靴の接触面に発生する摩擦を変化させることができ、摩擦係数の低い繊維を使用した靴下によって剪断力減少が可能であると報告しました。

これにより、主に踵部から前足部へ荷重がかかったとき、靴内で足部の前方へのスライド時の摩擦を低減させ、特に前足部の皮膚硬結や水疱、潰瘍の形成を低下させられることがわかりました。

また、Dieらは靴内で一定のスライド距離が必要であるとし、靴下の摩擦係数が高い場合でも、インソールと靴下との間で摩擦係数が低ければ剪断力を低下させると報告しました。

これらは、確かに足底部の外傷予防に重要であると言えますが、過剰に摩擦係数を減らしてしまうと、靴内での足部の動きが不快感や不安定感を招き、足の甲と靴との間の摩擦力を増加させてしまう可能性もあります。

このために、個人の足部や歩行、靴などを考慮して、その時々で適切な靴下を選択することが重要となります。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。