温熱刺激による筋肥大亢進と筋萎縮抑制

筋線維に対して温熱刺激を負荷として与えると、筋肥大が生じます。

あらかじめ温熱刺激を与えてからトレーニングすると筋肥大が促進し、逆に負荷除去に伴う筋萎縮が軽減されることが明らかになっています。

温熱刺激を与えると、リボソーム、翻訳開始因子、熱ショックタンパク質(heat shock protein:HSP)およびインスリン様成長因子の機能を抑制するIGF結合タンパク5の遺伝子発現の減少が確認されることが報告されています。

これらはタンパク質の合成に関わっており、これにより温熱刺激での筋肥大亢進、筋萎縮抑制が働くことが示されました。

特にHSPはその名の通り、温熱刺激に対して働くタンパク質で、他にも、運動、虚血、タンパク変性、低酸素、酸化ストレス、pHの変化により細胞内に発現が誘導され、分子シャペロンとして機能していると考えられています。

タンパク質は分子が立体構造をなして初めて働くものですが、分子シャペロンとはその立体構造を作る手助けをするタンパク質のことを指します。

また、心筋や平滑筋でも同様に温熱刺激により筋肥大が起こるとされ、これには筋サテライト細胞の活性化やIL-6やTNF-αといったサイトカインが働くことが報告されています。

ラットを対象とした実験では、骨格筋でも同様に筋サテライト細胞の一過性の活性化、サイトカインの活性化を示しました。

したがって、温熱刺激による筋肥大や筋萎縮抑制は、タンパク質合成に関わるタンパク質や、分子シャペロン、筋サテライト細胞、サイトカインなどが関与して起こっているものだと考えられます。

また、HSP活性化のための至適温度は40℃ほどだとされています。

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