「仙腸関節の安定化作用」について考える。

今日は、「仙腸関節の安定化作用」について考えます。

仙腸関節はその名の通り、仙骨と腸骨からなる関節です。

関節面は耳状面といい、これも読んで字のごとく耳のような形をしています。

この関節面ですが、仙腸関節の位置を思い浮かべてみると、垂直に近いことが分かります。

つまり、この関節面は「すべり」の力を受けやすい関節であるといえます。

とはいえ、二足歩行で生活する上で頻繁にすべりを起こしていたら大問題ですよね。

したがってこの仙腸関節には、何らかの安定機構があると考えられます。

これを簡単にいうと、「摩擦力」になります。

直立姿勢でいるとして、体重の力、重力は下方向にかかります。

足は地面に接地したまま、ズボズボとめり込んでいるわけでもなく、また反動で宙に浮かぶわけでもないため、同じだけの力がかえってきているといえます。

すると、体重による力は仙骨を前方に回転させる力を生みます。

足から上方にかえる力は大腿骨頭、そして寛骨臼を通じ、腸骨を後方に回転させる力を生み出します。

これらの前方の回転力と後方の回転力は仙腸関節面に摩擦を生み出し、これにより関節面が固定されます。

このメカニズムは、筋や靭帯の活動を必要とせず、重力と関節面の適合によるものです。

しかしこれだけで十分かというと、そうでもありません。

ただ立っているだけや、座っているだけであれば事足りるこの安定機構ですが、もっと動的な、もっと激しい運動には少し物足りません。

一般には、仙骨、腸骨に回転力がかかった場合、仙結節靭帯や骨間靭帯などの仙腸関節の多くの結合組織が伸張されます。

これらの靭帯は仙腸関節に圧迫力を生じ、安定性を与えます。

また、胸腰筋膜、仙棘靭帯、仙結節靭帯に付着するいくつかの筋がこれを補強することにより、さらに強力で、自動的な安定性を生み出すことができます。

ただ立っているだけでも、さまざまな働きが生まれていると考えると、人間というのは素晴らしいデザインなんだと再確認できますね。

こちら「仙腸関節の機能解剖」も参考にしてみてはいかがでしょうか。

ではまた。

 

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