靭帯の構造特性

靭帯は能動的な動きはせず、関節運動に対して受動的に作用します。
具体的な役割としては、関節をなす骨同士を連結し、関節の安定性を高め、運動方向を制御することにあります。

靭帯は結合組織によって構成され、乾燥重量に換算するとその80%はコラーゲン。

靭帯は結合組織によって構成され、総重量の約65%は水分、約25%はコラーゲンであり、乾燥重量に換算するとその80%はコラーゲンとなります。
靭帯を構成するコラーゲンはタイプIコラーゲンが約90%とその大半を占め、タイプIIIコラーゲンが約10%存在します。
その他の構成成分としては、エラスチンやプロテオグリカンなどがわずかに含まれる程度ですが、項靱帯や黄色靭帯など、伸張性が求められるような靭帯はエラスチンの割合が高くなっています。
コラーゲンはポリペプチド鎖3本からなるヘリックス構造を有し、線維として体内に存在していますが、コラーゲン線維の配列は組織によって異なります。
すなわち、伸張性が求められる筋膜などのコラーゲン線維は網目状の配列となっており、組織を伸張するとその伸張方向のほぼ平行の直線状の走行となります。
これに対し、靭帯はコラーゲン線維間に存在する基質が少なく、コラーゲン線維が密な構成となっており、一部のコラーゲン線維は組織の長軸方向に対して横走していますが、その多くは組織の長軸方向に対して平行に走行しています。
そのため、引っ張り負荷に対して強力な抵抗性を示し、筋膜などに比べるとその伸張性は乏しくなっています。

靭帯のコラーゲン線維のうねりは靭帯の伸張に対して緩衝作用を有している。

また、靭帯のコラーゲン線維をよく観察すると、ところどころにうねりが認められ、このうねりは靭帯の伸張に対して緩衝作用を有していると考えられています。
引っ張り負荷に対する靭帯の抵抗性は、コラーゲン線維の配列のみならず、架橋の影響も受けます。
化学結合である架橋は還元性架橋と非還元性架橋に大別され、前者は胎児のような未熟はコラーゲンに多く、後者は高齢者のような成熟したコラーゲンに多くなっています。
そして架橋の数に加え、この架橋のタイプの違いが組織の伸張性に影響しており、非還元性架橋が多くなると組織の伸張性は低下します。

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